コラム

(65)The Children of Gaza Will Need Much Help

 マーティ・キーナート


多くの方同様に、私も昨今のイスラエルとハマスの紛争によるガザの惨状に心を痛めている1人です。10 月7日の戦争勃発以降、すでに現在1万人以上が命を落とし、そのうち40%以上が18歳以下の子供です。そして数千人の子供たちが重傷を負い、彼らはこの先何年もの間、医療手当を必要とするでしょう。先日も爆撃で失明した子供達の映像を目の当たりにし、悲しみと怒りを覚えました。

このような戦争で負傷した子供達を救える大きな組織の1つに、「オービス・インターナショナル(Orbis International)」があります。オービス・インターナショナルは、特に盲目の治療のために力を注いできた非営利団体です。彼らによると世界の90%ほどの失明や視力低下は治療可能で防げる病だそうです。しかしながら全世界における1億人近くの失明者のうち、90%は低所得国に住み、そのうちの55%は女性と女子なのです。

オービス・インターナショナルは、米国のデービッド・パトン医師により1960年代終わりに発足されました。世界各国で治療に当たったあと、パトン医師は、眼科治療知識の無理解が世界中の失明度を加速させている事に気がつきました。しかしながら高額の学費やそのほかの経費は、低所得国の医師や看護婦が米国で学習する事を困難にしていました。そこで1973年にプロジェクト・オービスは発足しました。1982年パトン医師はモバイルでの医療技術を教える方法を考え出し、そして「空飛ぶ眼科医院」を発案しました。ユナイテッド・エアラインから飛行機を寄附してもらい、USAID からの基金をもとに飛行機を「空飛ぶ眼科医院」に改造し運営を始めたのです。

空飛ぶ眼科医院はこの40年間で実に95ケ国以上を飛びまわり、2,500万人以上の患者を治療、飛行機は現在3代目となりました。また3万人以上の眼科医や専門者、地域のケアワーカーに訓練を授け続けています。

私は、ガザが少しでも安全になり次第、このオービス・インターナショナルが空飛ぶ眼科医院と共に現地入りし、全ての傷ついた子供達の目を治療してくれる事を望んでやみません。

How about contributing to this most worthwhile charity?

オービス・インターナショナルについて(Wikipedia)



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マーティ・キーナート

<プロフィール>

アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。   

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