コラム

(40) Where Will We Be 30 Years From Now?

 マーティ・キーナート


私が思う今読むべき本―
“How to Avoid a Climate Disaster: The Solutions We Have and the Breakthroughs We Need,”
これはこの春、出版早々にニューヨーク・タイムズのベストセラー1位となり、先月早くも日本語で出版された本です。(邦題「地球の未来のため僕が決断したこと」)
これはフォーブスマガジンによる世界長者番付第5位である資産家であり、世界有数の篤志家であるあのビル・ゲイツ氏の話題の最新著書です。

2020年、米国の前大統領のドナルド・トランプはWHO(世界保健機関)からアメリカを無理やり脱退させました。その際、ビル・ゲイツ氏は世界に蔓延したコロナウィルスのパンデミックとの闘いの渦中にいたWHOを救うために、個人的に4億ドル(約440億円)もの寄附をおこなっています。
ゲイツ氏の長年に渡る寄附のおかげで、世界の健康ははるかに良い方向へ前進しています。ビル&メリンダ・ゲイツ財団の寄附金の恩恵により、ポリオとマラリアは幸いにも事実上世界から絶滅した疾病となりました。
2021年の1月20日、米国の新大統領ジョー・バイデンが就任後にまず手をつけたのは、地球気候変動抑制のパリ協定に正式に復帰することでした。何故ならば、ビル・ゲイツ氏のような米国のトップビジネスリーダーたちはこぞってグローバルウォーミング(地球温暖化)こそが我々の未来のもっとも大きな脅威であると声高に訴えているからです。

この最新著書の中でゲイツ氏は、人類は毎年5,100万トンもの温室効果ガスを大気中に排出しており、その結果として地球の気温は年々加速して上昇しており、そして地球は我々にとって生活しにくくなっていると指摘しています。ゲイツ氏は、CO2排出量を2050年までにゼロにしないならば、我々の生態系は取り返しがつかないぐらいに壊滅してしまうだろうと危惧しているのです。「これはもしかしたらという問題ではなく、いつそうなるかという問題なのである。作物の収穫高が減産するであろう、ではなく、全くなくなってしまうという問題であり、また海水レベルが上昇するであろう、ではなく、どれくらい早くにどれくらい高くなってしまうか、という緊急不可欠の問題なのである」とゲイツ氏は警鐘を鳴らしています。

この本の中で、ゲイツ氏は温室効果ガス排出の主たる要因を挙げています。
1)製品の生産過程
2)電気の供給
3)農業や畜産の過程
4)交通手段
5)空調

さて、あなたはこの中のどの分野において地球温暖化対策に貢献できると思いますか?
例えばエコカー(電気自動車など)の使用、エコ仕様の生産品を買うなどでしょうか。
またはあなたの会社や市、政府などに正しいことをするように訴え、法整備を整えさせて地球を救う手助けをすることもできますね。
ビル・ゲイツ氏に続き、我々も一人一人の小さな行動で地球を救うことができます。
また多くの団体がその手助けをしています。明日からでも小さな一歩を一緒に踏み出しましょう。



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マーティ・キーナート

<プロフィール>

アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。   

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