コラム

(47) The Brilliance of Some Young People is Inspiring

 マーティ・キーナート


ここのところ毎日、他のどのニュースよりも多くロシア侵攻によるウクライナの悲劇の映像を目の当たりにし、私は本当に心を痛めています。何か私に出来ることはないだろうかと嘆いています。 そしてすぐに手助けできる方法は、赤十字などのチャリティーにいくらかでも寄附を続けることであることを世界の多くの人々が同時に考えたでしょう。

しかし、世界には私よりも優れたアイディアを持った賢くクリエィティブな人々が大勢おり、その中でも今回は家と祖国を追われたウクライナの何万人もの人々をいかに助けるかという素晴らしいアイディアを即実行したハーバード大学の若い2人の学生を紹介します。

アメリカのサンディエゴで行われたウクライナでの戦争反対のデモに参加していた、ハーバード大学の1年生 Avi Schiffmann (アビィ・シフマン)は、ウクライナの難民と空部屋のみならずカウチでさえも提供して手助けしたいと願う世界中の善意ある人々をマッチングさせるウェブサイトの立ち上げを思いついたのです。

Neurophilosophy(脳倫理学)の学生である若干19歳のシフマンは、コンピューターサイエンスを専攻しているクラスメイトの18歳のMarco Burnstein (マルコ・バーンスティン)にウェブサイトの作成を依頼しました。
シフマンとバーンスティンは、ウェブサイト制作に着手し始めてから3日間、日夜問わず取り組み、2月28日にウェブサイトを完成させました。そして3月3日には、ウクライナを助ける画期的なこのサイトが公開されました。

「UKRAINE TAKE SHELTER」
https://www.ukrainetakeshelter.com

シフマンはこう訴えます。
「ウクライナの難民は迅速な手助けを必要としています。それは大規模ですぐに必要なのです。私はどうにかそれを可能にする手立てを見つけないといけませんでした。彼らは爆破の間をくぐりぬけ、着の身着のまま逃げて来ています。悲しみ、困惑し恐れ慄いています。そして今、言葉もわからない、友人もいない新しい国にいるのです」と。

このウェブサイトは、すぐに大きな反響を呼び、既に100万人ものユーザーを集め、現時点で2万5千以上もの避難提供先がリストされています。このリスト先の多くは、もちろんウクライナに近いヨーロッパの国が多いですが、中には遠くイスラエルやカナダ、アメリカ、そして嬉しいことに日本もリストされています。そしてこの日本の提供元は大都市だけではなく地方都市もあります。ウクライナの人々をこの悲惨な戦争から救いたいという温かい心の持ち主が宮城、福島、山形、その他多くの地域にも大勢いらっしゃいます。

このサイトをのぞいてみると、とても念入りに考案されたのがわかります。現在12ケ国語に変換される事ができ、(今も使用言語は毎週増えているそうです)、ホストは宿泊先の提供が長期間か短期間の提供なのか、英語が話せるかどうか、他の言語はどうか、ペット可か否か、その他複数カテゴリーの選択肢があり難民たちが快適な避難先を見つけ易いように構成されているのです。

私が最も嬉しく思うのは、ここには助けを必死に必要としているウクライナの人々をどうにか手助けしたいという世界中からの思いやりが溢れている事です。と同時にこの二人のティーンエージャーが世界にこれほど大きなインパクトを与えた事にも深い感銘を受けています。

東北大学の学生たちよ。let’s get creative! そしてもし少しでも提供できる方は、ぜひこのサイトに登録してみてはいかがでしょうか。



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マーティ・キーナート

<プロフィール>

アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。   

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東北大学でもウクライナ支援の募金を実施しております。
以下URLより詳細をご覧いただけます。皆様からのご支援お待ちしております。

https://www.kikin.tohoku.ac.jp/news/news_detail/view_express_entity/10

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