コラム

(24) Youngsters Making the World a Better Place Through Their Philanthropy

 マーティ・キーナート


新型コロナウィルスによるパンデミックで世界中が混乱しているこの時勢に、Huffington Post が最近掲載した 地域に貢献する素晴らしい行動を起こした6人の子供の記事に私は心が和みました。

“These 6 Kids Are Doing Amazing Things For Their Communities.”~ Huffington Post~

1人目は、オハイオ州クリーブランドに住む9歳のElla Tryon (エラ・トライオン)。
エラは6歳のとき、酷いアレルギーのために入院しました。その時、時間潰しとリラックスする為に塗り絵をしたいと思ったのですが出来ませんでした。何故ならば病院にはクレヨンが1本もなかったからです。そこでエラは、これはおかしい、アメリカの全ての子供病院にはクレヨンがあるべきだと考えたのです。小学1年生の彼女は両親の助けを得て、「Help Me Color A Rainbow」というNPOを立ち上げました。この組織は今では何万本ものクレヨンをアメリカ中の病院に届けています。
http://helpmecolorarainbow.com

2人目は、Jaylen Arnold (ジェイリン・アーノルド)。
彼はたった8歳の時にいじめ撲滅キャンペーンを始めました。フロリダ生まれの彼は、トゥーレット症候群とアスペルガー症候群があります。彼は自らのことを「I am differently abled 〜僕は皆とは違うだけ~」と呼びポジティブです。けれども彼は学校でいじめ続けられていました。そこで彼は母親と一緒に、NPO法人「Jaylens Challenge Foundation」を立ち上げ、“Bullying No Way (いじめは絶対にだめ!)”をモットーに活動をはじめました。現在19歳になったジェイリンは、全米中を回りワークショップやスピーチを通して、いかに違いのある子どもを受け入れたり、いじめに気付かせたりするかという運動を続けています。
10万人以上の子供と対話した彼は、その長年の努力と活動によって数々の賞を受賞しており、その中には、アメリカ人初の受賞となった亡きプリンセスダイアナのPrincess Diana Legacy Awardもあります。
http://www.jaylenschallenge.org/content/welcome-jaylens-challenge-foundation-inc

3人目の若者は、Shanneil Turner (シャンネイル・ターナー)。
彼女は15歳の時にカルフォルニアのバカビルに家族とともに引っ越してきました。
彼女の家庭は貧しく、運動靴さえも満足に買うことができませんでした。「The Vacaville Neighborhood Boys & Girls Club」という地域の青少年クラブのディレクターAnna Eaton は、それに気がつきました。 彼女は当時を振り返り「初めてシャンネイルがクラブにきたとき、彼女の靴が両足ともガムテープでとめられていたことを思い出すわ」と話しています。
クラブは、シャンネイルに奨学金を与え、彼女は新しい靴を買うことが叶ったのです。
これがきっかけで彼女は、自分の他にも運動靴すら買う事の出来ない多くの恵まれない子供たちがバカビルにいる事に気がつき、”Shanneil’s Locker”という組織を立ち上げました。彼女はナイキやカイザーパーマネント病院といった企業から寄付を募り、100足以上の靴と奨学金を同じような境遇の子供達に届ける事に成功しています。

その他の3人も手短に紹介しましょう。

4人目、Addisyn Goss。
ミシガン州フェントンに住む10歳。彼女は兄弟姉妹の助けを得て、ホームレスの人々に1700ものサバイバルキットを届けました。寄付の品により、彼女のサバイバルキットには、暖かい服やトイレ用品、スナックも含まれています。
https://www.snugglesacks.org/who-we-are

5人目、Emma Burkhart。
オクラホマ州ダーラントに住む13歳。過去4年の間に彼女は1000枚以上のブランケットの寄付を募り、毎年クリスマスの時期にオクラホマ州の助けが必要な人々や家族に配りました。
https://www.facebook.com/pg/Keep-Kids-Warm-Blanket-Drive-937032856372202/posts/

6人目、Garrett Lowry。
コロラド州のリトルトンに住む11歳、祖母からニットを編む方法を教わった彼は、自ら150枚以上のニットキャップを編み、コロラドとカルフォルニアの子供病院の癌患者の子供たちに届けました。

これらの若者達の善行は、小さいかもしれませんが多くの善意を集め、人々を動かす事ができます。それはこの混沌とした世の中にまさに必要な事です。このような若者の存在を知って、私はチャリティ活動によって得られる大きな希望に感動しました。

これを読んだあなたにも感動して頂けますように。



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マーティ・キーナート

<プロフィール>

アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。   

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