コラム

(29) Be Thankful You Are Not Going Hungry Today

 マーティ・キーナート


2020年10月9日、国連世界食料計画(World Food Programme) が世界の飢餓と闘い、紛争地域で支援活動を行った実績が評価され今年のノーベル平和賞を受賞しました。
WFP事務局長のディビッド・ビーズリーが受賞後にSNSに投稿した記事は以下の通りです。

「今日、世界の6億9千万人の飢えた人々の一人一人が飢えなく平和に暮らす権利を持っています。 WFPの家族は日々前線で命をかけて食料と支援を提供するために努力しています。彼らはこの賞に値する人々です」と。
さらに「今日は食料安全保障、平和、安定が一緒になっていることを思い出させてくれます。平和がなければ、飢餓ゼロという世界的な目標を達成することはできません。そして飢餓がある間は、私たちは決して平和な世界を達成することはないのです」と続けています。

この10年以上もの間、食料確保について多くの国で問題となっていますが、単に供給が出来ないという理由からだけではなく、この問題は多くの場合、ナイジェリア、南スーダン、コンゴ、イエメンといった紛争地域での戦争によるところもあります。そして、気候温暖化がこれに拍車をかけています。

WFPは毎年45ケ国以上の国で約8000万人以上の飢餓を救う支援を行っていますが、コロナウィルスのパンデミックにより、飢餓に苦しむ人々の数は現在急上昇しているのです。今年の年末、または来年2021年のはじめには、2億7千万人もの人々が食料困難に陥る可能性があるとされています。
ディビッド・ビーズリー事務局長は、2021年はのるかそるかの年になるであろうと言い、世界の最も裕福な人々に、世界で最も恵まれない人々にその富を分けてくれるよう懸命に働きかけているのです。

世界飢餓指数によると、東アフリカのブルンジ共和国が世界で最も飢餓に瀕している国で、国民の65%が貧困層で50%以上が栄養失調だといいます。
このように貧しい国がパンデミックによりさらに飢餓の恐怖に怯える日々を送っている今、皮肉な事に世界で最も裕福な男の富は莫大に増え続けています。

その人は、ジェフ・ベゾス氏。アマゾン社のCEOです。コロナウィルスのパンデミックにより、多くの人が店に足を運ぶのをやめて、アマゾンでのオンラインショッピングで済ませるようになり、アマゾン社の利益はうなぎ登りです。

フォーブス誌によると、ベゾス氏の総資産は先月の時点で約20兆円になっています。株価がはね上がった7月には彼の資産はたった1日で1兆3千億円増えたというのです。
もちろんベゾス氏は、WFPからの世界飢餓を助ける依頼に耳を傾けその手助けをしてくれることでしょう。

もちろん、私たちにも世界の飢餓を救う手助けは出来ます。少しの寄附でも集まれば大きな助けになるのですから。



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マーティ・キーナート

<プロフィール>

アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。   

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