コラム

(17) Japan Needs English to be Successful in this World

 マーティ・キーナート


先日、スイスにある教育機関EF Education Firstによる世界100ケ国・地域の英語力ランキング2019年度が発表されました。その中で、日本は英語を母国語としない100ケ国中53位にまたもや低迷したのを見て私はがっかりさせられたのでした。


昨年度のランキングでは、日本は49位でした。しかし今年度、日本は英語を母国語としない世界の100ケ国の上位半分の50ケ国からも外れてしまったということです。アジア諸国の中では、中国は40位、続いて韓国が37位、フィリピンが20位、そしてシンガポールは5位です。

53位の日本は、ベトナム、イラン、ロシアなどと並んで「低い英語能力」の国の1つになってしまいました。このランキングが必ずしも正確とはいえませんが、私が40数年前、初めて来日した時、日本はそれでもアジア諸国の中では上位の英語力を誇る国でした。なぜアジアの他国とこんなに差がついてしまったのでしょうか。


世界の英語人口は15億人と言われています。世界の総人口が約73億人とすれば、5人に1人は英語で意思疎通できるということになります。また、世界のインターネット総人口約42億人の中において、インターネット上の第一言語は英語です。さらには学術、研究の共通語も英語であり、スポーツの世界でもそれは同様です。すなわち、もはや英語ができなければどの世界においても遅れをとってしまう時代になっているのです。それなのに、なぜ日本の若者の英語能力は伸び悩んでいるのでしょうか。


私が思うに昨今の日本の若者は、日本での快適な生活に満足しすぎているように見えます。彼らは日本の音楽を聞き、日本のファッション、日本のフードが大好きです。それ自体は悪いことではないですが、彼らには「世界を見たい」という渇望があまり見えません。家にいることにあまりに満足しているのです。

これは非常に残念なことです。なぜなら自国の文化を理解するには、一度外から眺めてみることが一番よい方法だからです。私自身、日本に来てから知り合った日本人や他の外国人が自国アメリカの事についてどう思っているかを知り、初めてアメリカのことをよりよく理解できたのです。これは何にも勝る素晴らしい学びでした。ですから、より多くの日本の若者にどんどん世界を見て欲しいと思います。


東北大学には素晴らしい長期/短期の海外留学制度があります。留学を考える東北大学生の学習目的や期間等の希望に合わせて選べるように様々な海外研修・留学プログラムを用意しています。この制度により、学生達は地平線を超え、自国をよりよく理解しさらに英語の重要さを認識することができます。


この東北大学の海外留学制度をすでにご支援頂いている皆様には、心より感謝申し上げます。本学では、将来の日本を担う若者たちが世界を見るための手助けになる寄附金をお願いしております。貴方のご支援により彼らの世界へのドアが開きます。


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https://www.insc.tohoku.ac.jp/japanese/studyabroad/



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マーティ・キーナート

<プロフィール>

アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。   

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