コラム

(25) Learning About WE Rather Than ME from a K-Pop Group

 マーティ・キーナート


私は、正直にいうと昨今人気のJ-POPやK-POPのファンではありません。こういうと年齢がわかってしまうかもしれませんが、R&B(リズム&ブルース)とジャズ音楽の大ファンなのです。

ですから、J-POPやK-POPのニュースには通常あまり関心がない私ですが、先日、韓国の人気グループ、BTSが1億円以上を寄付し、さらには彼らのファンにも同じ額の寄付金を集めてほしいと呼びかけたニュースには目が留まりました。

BTSが何者か詳しくない方のために。彼らは韓国史上最高のアルバム売上記録をもつ7人のイケメングループです。彼らには2 億6300万人のツイッターのフォロワーが世界中にいます。

6月5日、ミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイド氏が警察官に殺害された事件の1週間後、彼らはこうツイートしました。
“We stand against racial discrimination. We condemn violence. You, I and we all have the right to be respected. We will stand together. #BlackLivesMatter.”
(私たちは人種差別に立ち向かう。私たちは暴力を許さない。あなたも私も、我々すべては尊敬される権利がある。私たちは一緒に戦う。#BlackLivesMatter)
と。

このわずか24時間後に、BTSのファンたちは1億3千万円以上の寄付金を集めました。そればかりかその額は今も増え続けています。なぜならBTSは続けてこのようなツィートを繰り返しているからです。
“Black Lives Matter isn’t something that has a time limit. It’s a belief that everyone needs to carry in their everyday lives. We stand in solidarity with Black people everywhere. Your voices deserve to be heard.”
(運動はタイムリミットがあるものではない。これは信条であり、誰もが誰もの命に掲げないといけないものである。私たちはあらゆる場所での黒人の人々と共にあり、貴方たちの声は届くべきだ。)
Black Lives Matter

BTSの行いを知って、アメリカの有名なプロレスラーであり俳優のジョン・シナは同じくBlackLivesMatter運動へ1億円以上を寄付しました。シナは「私はBTSと彼らのファンと志をともにできる事を光栄に思っている。BTSを尊敬する理由の1つであり、彼らと彼らの軍団(ファン)に感謝をしている」と語っています。

BTSは2010年に結成され、世界中に衝撃を与え続けていますが、私はあまりよく知りませんでした。
このグループは他にも心身健康のための社会運動にも力を注いでおり、それからするとBlackLivesMatter運動への多大な寄付もそう驚くことではなかったようです。

彼らのような行動は、我々へのインスピレーションになるべきだと思います。
現在のコロナウィルスのパンデミックのさなか、我々はME (自分)ではなく WE(我々)全体の事を考えるべきなのです。BTSグループは、たしかにMEではなくWE を常に考えているようです。
我々も彼らのようにWE を考える社会にならないといけません



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マーティ・キーナート

<プロフィール>

アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。   

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