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旧 東北帝国大学附属図書館閲覧室
<東北大学史料館>
- 年代
- 大正15年/昭和61年・平成25年・同26年改修
- 構造階数
- 鉄筋コンクリート造2階一部地下1階及び3階建
- 建築面積
- 569㎡
大正14(1925)年に完成した正門に向かう大路に面し建設された、東北帝国大学初の図書館本屋で、2階部分が閲覧室として使用された。設計者は、東北地方の古民家研究や戦災で焼失した仙台市の瑞鳳殿の再建を手掛けたことでも知られる、当時東北帝国大学技師・小倉強(のちの東北大学工学部建築学科教授)。外観はベルのような形の方形の銅板葺き屋根の塔屋を中央にあげた寄棟の瓦葺き屋根、外壁仕上げは下層から石張り、煉瓦積み、塗料仕上げとなっている。1階の窓はセグメンタルアーチ、2階の窓は半円アーチの窓で形成される。内部は東西両端に書庫と階段を配し、1階は中廊下で東西の中央に玄関がある。2階は東西の階段・書庫部分以外は間仕切りのない1室となっている。
また、かつて東側は大正13(1924)年に完成した5階建ての書庫が接続され、西側は東北帝国大学法文学部の建物と接続されていた。
昭和61(1986)年に「東北大学記念資料室新館」として外部・内部を全面改修。さらに平成12(2000)年には、より本格的な大学のアーカイブズとしての整備充実を目的に「東北大学史料館」へと改組され、現在2階は大学の歴史を紹介する史料展示室として公開されている。
ロマネスク風の簡潔な外壁と、屋根頂上中央部の搭屋がバランスよく配置された外観等は、建築当初からほぼ改変されていない。当時の雰囲気を現代に伝える学問の府に相応しい建築であり、片平キャンパスの歴史を伝える近代建築としても極めて重要な建築である。