職員の声

事 務総長・プロボスト室
諏訪 真奈美
(2015年4月採用)

現在、担当している仕事について教えてください。

 総長・プロボスト室には、大きく分けて2つのチームがあります。 1つは大学評価を担当するチームです。評価には主に、大学が一定期間ごとに行政から受けるものと、学内で各部局に対して実施するものの2種類があります。評価結果は予算や本学のプレステージなどに影響を与える非常に重要なものですので、本学の優れた点をどのように把握し、いかにうまく学外へアピールできるか、日々考えています。
 もう1つは、企画や経営戦略を担当するチームで、私は主にこちらのチームで仕事をしています。こちらの仕事は、世の中の動きや本学の抱える課題等に合わせてその都度対応を行うので、所謂ルーティンワークと呼べるような業務があまりありません。これまでに担当した業務の一例を挙げますと、「東北大学ビジョン2030」の策定やビジョン実現のためのワーキング・グループの運営、また震災復興関係で本学の取組を紹介する冊子の作成やシンポジウムの開催などを行いました。この他にも、世界大学ランキングへの戦略的な対応や本学100%出資の子会社の設立などを担当している者もおり、その仕事の内容は多岐にわたります。業務を進めていく中で、他大学の先行する取組の調査やシンポジウムへの参加などもあり、出張に行くこともしばしばあります。

本学職員を志望した決め手は何でしたか?

 自分が大学に入るとき、大学に通うというのはどういうことか、ずいぶん考えました。大学は、小学校、中学校、高校とは違って、カリキュラムも施設も大学によってかなり違いがあり、その大学ごとの個性がより強く出ています。選ぶ大学によって、学べる内容も、経験できることも、生活スタイルも変わってきますし、もしかすると就職先まで左右されるかもしれません。選ぶ大学がその人のその後の人生に与える影響は、とても大きいと思います。だから、大学に通うということは、自分の個性ややりたいことと真剣に向き合うということだと思いました。自分が大学を卒業するとき、そういう未来ある真剣な人たちの集まる場所に、卒業後もずっと居続けたい、関わっていたいと思うようになりました。事実、やる気ある学生たちのいるキャンパスで仕事をしていると、日々見えないエネルギーをもらっているような気がします。私自身が東北大学の卒業生ということもあり、自分が育った大学を、たくさんの人に「通いたい」と選んでもらえるような魅力ある場所にしていけたらと思い、この仕事を選びました。


この仕事で「一番嬉しかったこと」「この仕事に就いて良かった」と思ったことはどんなことですか?

 「つながった!」と思える瞬間が一番嬉しいです。
 私たち事務職員は、2~3年に1度くらいのペースで人事異動があります。私も、今の部署に来る前は、農学部の教務係で学部学生の履修登録や学籍管理を担当していました。そちらでの仕事は、学年暦に沿って決められた仕事を決められた時期に正確に処理することが求められる仕事で、今の仕事とは全然違います。でも、そのときの経験が今と全く関係ないかと言うと、決してそうではありません。そのとき身につけた教務系の知識や正確な事務処理スキルが今も活きていたり、そのときお世話になった先生や職員の方と別の形でまた一緒に仕事をさせていただいたりと、全然違う場所で全然違う仕事をしているのに、思わぬタイミングで「つながった!」と思う瞬間がやってきます。その「点」が「線」になるような感覚と言いますか、伏線の回収劇みたいな瞬間が、私はとても好きです。特に今の仕事は、大学の直面するいろいろな課題に対応していく中で、様々な部署の人と連携しなければいけなかったり、いろいろな知識が必要になったりということも多いので、過去の積み重ねから生まれるそういう「つながり」の大切さをより強く感じます。人事異動が多いと言うと大変そうなイメージをもつかもしれませんが、異動すればするほどいろいろな経験値や出会いが増えて強くなる、その分だけ「つながる瞬間」が増えていくのだと思うと、これからもとても楽しみです。

仕事のやりがいについて教えてください。

 真剣に考えたことが、本当に実現するということにやりがいを感じています。
 例えば、「東北大学ビジョン2030」は、いろいろな部局の先生や現場の事務職員の方々と一緒に総長・プロボスト室が中心となって策定したものですが、これは言わば本学の今後約10年間の行動指針となるものです。AI教育の充実や業務改革の推進など、実際にここに書いたことがもとになって実現したものも少なくありません。当たり前と言えばそうかもしれませんが、今自分たちが考えたことが大学全体に影響を与え、本当に実現するのです。問題に向き合ったり、新しいことを考えたりすることは難しいことではありますが、だからこそ取り組むことにやりがいもあります。自分の無力さを痛感することもしばしばですが、悔しいと思えるからこそ「こうなりたい」とか「こういうことも勉強したい」とか、新しい目標がどんどん出てきて、ずっとモチベーションの高い状態でいられるように思います。

現在、就職活動をしている学生にアドバイスをお願いします。

 今就職活動をしている皆さんに、知ってほしいことがあります。それは、当たり前のことですが、1つの会社には総務や経理、営業、広報、人事などのたくさんの部署があるということです。何が言いたいかというと、例えば大学に就職したからといって、みんなが学生の窓口対応をするわけではなく、学生と直接的なやりとりがない部署で働いている職員も大勢いるということです。就職活動をしていると、つい個別具体的な仕事だけを思い浮かべて、その会社を狭い視野でとらえてしまいがちですが、会社には本当に様々な仕事があり、長い社会人生活の中には人事異動もあります。これから一日の大半を過ごすことになる職場というのは、単なる「働く場所」という以上の意味を持っています。そんな大事な就職先を決めるからこそ、広く長い視野をもって考えることが大事だと私は思います。ごく当たり前の事実ではありますが、私は就職してそのことを本当に強く実感しました。
 もしあなたが今、広い視点で考えることが難しいと感じているなら、まずは思い切って仕事と直接関係ない「その会社を選ぶ理由」も大事にしてみてはいかがでしょうか。些細なことでいいと思います。都会に住みたいとか、通勤が楽とか、社食がおいしいとか、建物が素敵とか。何気ない理由だけれど、だからこそどんな部署でどんな業務を担当することになっても、そこだけはブレない。たとえ運よく望む仕事に就けても、大変なこと、迷うことは必ずあります。そうなったとき、仕事と関係ないところで心の拠り所になる部分をもっている人は強いと思います。だから、もし皆さんが就職先選びでどうしても迷うようなときは、「やりたい仕事」以外にどこかもう1か所、自分だけの「推しポイント」を見つけてみるというのも、いいのではないでしょうか。
そして、もし東北大学が皆さんにとってそういう職場であれば、ぜひ一緒に働きましょう。

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