利益相反のマネジメントに関するQ&A

Q1. なぜ利益相反マネジメントを実施するのですか?

Q2. 申告をしない場合は、どのようになりますか?

Q3. 定期自己申告後はどういった対応になりますか?

Q4. 利益相反マネジメントの結果に対して、どのような対応をとることとなりますか?

Q5. 定期自己申告後に新規で産学連携を行う場合に申告は必要ですか?

Q6. 定期自己申告の内容に変更が生じたときは、利益相反マネジメント委員会へ届け出る必要がありますか?

Q7. 人を対象とする生命科学・医学系研究を実施する場合、利益相反マネジメント委員会の審査は必要ですか?

Q8. 利益相反マネジメントを受けないと、厚生労働科学研究費補助金または日本医療研究開発機構研究費を用いて研究を実施することはできないのですか?

Q9. NIHから研究助成を得ている場合の、利益相反マネジメントについて教えてください。


Q1. なぜ利益相反マネジメントを実施するのですか?

A1. 産学連携をはじめとした社会活動を行う場合、大学の役職員は学外の企業などと経済的利害関係を持ち、活動に対する報酬などの利益を得ることになります。これらの活動は、企業などの利益の向上を通じて、社会の利益に貢献するものであり、その成果の一部を対価として得ることに何ら問題は生じません。しかし、これらの活動により生み出される公益よりも、関係する役職員の私益を優先させ、その結果として、当該役職員の活動が教育・研究の実施、もしくは大学の中立性や信頼性に悪影響を与えた場合、利益相反による弊害が生じたとして、社会的な指摘を受けかねません。このような利益相反の状態によって産学連携が停滞することなく、役職員が安心してこれに取り組むことができるよう、東北大学では利益相反マネジメントを実施します。


Q2. 申告をしない場合は、どのようになりますか?

A2. 平成21年4月より、利益相反マネジメント規程が施行されたことにより、自己申告対象者は、自己申告や利益相反マネジメント委員会からの要請にご対応いただくことが義務となりました。従って定期、事象発生前、臨床研究および厚生労働科学研究の各自己申告書の提出は不可欠です。また、申告されない役職員または利益相反マネジメント委員会の要請に応じなかった役職員に対し、その産学連携活動について社会から利益相反ではないかという疑義が提起された場合、東北大学は、当該役職員の利益相反についての説明責任を果たすことができないだけでなく、適切な対応がなされなかった事実を公表せざるを得ず、さらに厳しい社会的批判を受けることになりかねません。この点を踏まえ、産学連携に関与する本学の役職員の皆様には、定期、事象発生前、臨床研究および厚生労働科学研究の各自己申告書の提出を強くお願いしております。なお、利益相反マネジメント委員会の判定や要請に同意できない場合は、利益相反不服審査委員会に申し立てることができます。


Q3. 定期自己申告後はどういった対応になりますか?

A3. 定期自己申告書を提出いただいた後、役職員の利益相反の状況を整理します。定期自己申告書の質問に該当がある場合、利益相反マネジメント委員会においてその状況について対応方法の検討をし、必要に応じて当該役職員に利益相反の回避などの要請を行います。この要請に従って産学連携など社会活動を行う役職員に対し社会から疑義が提起された場合には、大学が当該役職員の利益相反についての説明責任を果たします。また、ご提出いただいた申告書は個人情報として法律に基づき適正に管理致します。


Q4. 利益相反マネジメントの結果に対して、どのような対応をとることとなりますか?

A4. 利益相反マネジメント委員会の審議の結果、承認又は回避要請等の通知をお送り致します。役職員には、この結果に必ず従っていただくことになります。ただし、回避要請等の内容について不服がある場合には、利益相反不服審査委員会に対し、不服申立てを行うことができます。利益相反不服審査委員会が申立てを相当であると認めた場合には、利益相反マネジメント委員会に対し、その旨を通知し、利益相反マネジメント委員会は、再審査を行うこととなります。当該役職員は、利益相反不服審査委員会からの通知、又は利益相反マネジメント委員会からの再審査の結果に必ず従っていただくことになります。


Q5. 定期自己申告後に新規で産学連携を行う場合に申告は必要ですか?

A5. 定期自己申告で潜在的利益相反との判定をうけた役職員が、その後新たに申告の対象法人等と産学連携を実施する場合は、実施の2ヶ月前までに「利益相反事象発生前申告書(一般)」の提出して下さい。また、定期自己申告時には、経済的利害関係または産学連携活動等の関係をもつ法人等が「無」であり、利益相反マネジメントの対象者に該当しない役職員の方が、その後新たに該当する場合も、その実施の2ヶ月前までに提出をお願いしております。


Q6. 定期自己申告の内容に変更が生じたときは、利益相反マネジメント委員会へ届け出る必要がありますか?

A6. 役職員の利益相反マネジメントについて、本学が的確な説明責任を果たすには、常に最新の情報をもとにマネジメントすることが不可欠と考えます。従いまして、ご提出頂いた自己申告書の内容に変更が生じる場合には、速やかに「利益相反事象発生前自己申告書(一般)」をご提出ください。


Q7. 人を対象とする生命科学・医学系研究を実施する場合、利益相反マネジメント委員会の審査は必要ですか?

A7. 「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(文部科学省・厚生労働省・経済産業省)に基づき、人を対象とする生命科学・医学系研究の実施を倫理審査委員会に申請する際、「人を対象とする生命科学・医学系研究に係る利益相反自己申告書(概略)」の利益相反項目のいずれかに該当がある場合は、倫理審査委員会の審査前に利益相反マネジメント委員会にて審査を受けていただく必要があります。その際は、「人を対象とする生命科学・医学系研究に係る利益相反自己申告書(詳細)」を作成の上、倫理申請書類と併せて利益相反マネジメント委員会へご提出ください。
また、臨床研究法(2018年4月施行)に基づく利益相反管理を受けることが求められており(第3条、第4条及び施行規則第21条)、厚生労働省「臨床研究法における利益相反管理ガイダンス」に提示されている様式の作成が必要となります。詳細については、厚生労働省による臨床研究法に関する情報、また、「東北大学における臨床研究法に基づく利益相反管理ガイドライン」及び様式Cの記入例等(学内限定)を参考にしてください。


Q8. 利益相反マネジメントを受けないと、厚生労働科学研究費補助金または日本医療研究開発機構研究費を用いて研究を実施することはできないのですか?

A8. 「厚生労働科学研究における利益相反の管理に関する指針」(厚生労働省)及び「研究活動における利益相反の管理に関する規則」(日本医療研究開発機構)により、当該研究費を用いて研究を行う場合は、所属機関にて利益相反マネジメントを受けることが義務となっております。研究課題・実施年度ごとに申告が必要となりますので、研究を実施する場合は、必ず「利益相反自己申告書(厚生労働科学研究費補助金・日本医療研究開発機構研究費用)」をご提出の上、利益相反マネジメント委員会の審査をお受けください。


Q9. NIHから研究助成を得ている場合の、利益相反マネジメントについて教えてください。

A9. 米国では、2012年8月24日に利益相反に関する新たな法律(最終規定)が施行され、施行日以降に米国保健福祉省(HHS)の下部組織である米国公衆衛生局(PHS)に属するNIH(National Institute of Health :米国国立衛生研究所から研究助成を得る場合は、最終規定に準拠した利益相反マネジメントを行うことが大学等研究機関に対し義務付けられました。最終規定は1995年制定された利益相反に関する法律の内容を基本的に引き継ぎつつ、利益相反マネジメントの実施主体が明確に大学等組織となっております。その他の特徴として、1法人からの兼業等による収入の申告基準は5,000ドル以上、企業がスポンサーとなる出張が申告対象となっていることが挙げられます。さらに、研究分担者も最終規定に従った利益相反マネジメントを受けることが求められています。また、最終規定は2012年の施行日以降に採択されたグラントが対象とされていますが、それ以前から実施のグラントであっても施行日以降に研究者が所属機関を異動した場合は、最終規定が適用されます。本学では、最終規定に準拠したマネジメントを実施しており、NIH研究分担者用の申告書を提出いただくことになっております。

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