高密度の特異な天体
 ブラックホールという言葉は、一般にもなじみ深くなってきました。宇宙にあいている暗黒の穴と言うことですが、実は、これは多量の物質を集めた暗黒の天体です。その天体は、あまりに、密度が高く、天体の周辺の重力が強いため、天体から放射されるはずの光や全ての電磁波が、この天体の内部から外側に出ることができず、その表面は暗黒です。そして、周辺にある物質を強い引力で引きつけ、飲み込み続けています。
 ブラックホールがどんな特異な天体かと言いますと、もし、地球がブラックホールになると、地球全体が、その直径、わずか1.8cm のビー玉に縮められるということからも想像されます。太陽と同じ質量のブラックホールは、直径が6km となります。
 ブラックホールは、こうして一般的に好奇心で見られるだけでなく、物理学者たちも大きな興味を持っています。それは、アインシュタインの一般相対論でしか説明できない、強い重力場の謎に満ちた空間を伴っているからです。最近、その中につまっている物質の量が太陽の数百万倍から一億倍にも迫る、超巨大ブラックホールの存在が話題になってきました。



短波電波による新・探査法
 ブラックホールを直接見ることは不可能です。では、どうして、その恐るべき大質量の暗黒天体の存在を知るようになったのか、を説明しましょう。
 普通は、ブラックホールから周辺に及んでいる引力の強さを探ることにしています。引力が強いと、その周辺にある普通の星がそれに応じ速く運動しているのです。星雲の中心部分の星の運動を観測し、その位置と速度から、私たちの銀河星雲の中心には太陽の約300万倍の質量を持つブラックホールが、そしてアンドロメダ星雲には太陽の7000万倍に迫る質量を持った超巨大ブラックホールがある、と言われてきました。しかし、私たちの研究による、全く新しい方法で、ブラックホール探査ができることが明らかにされました。それは、周波数が20メガヘルツから40メガヘルツの短波電波で観測する方法です。東北大学では、宮城県と福島県にわたって4つの短波による木星と銀河系星雲中心部の2つの超巨大ブラックホールGaaとGab。Gaaの質量は、太陽質量の125万倍、Gabの質量は太陽質量の101万倍と決定された。宇宙電波観測施設を設立していますが、その施設での長年にわたる観測の結果です。
 こう言いますと、その電波の証拠が容易に見えるように思われますが、実は宇宙からの短波電波は銀河全体から放射されていて、耳に聞こえるように検波しますと、まるで滝壺に居て聞くような轟音となる大雑音です。しかし、この中に極めてかすかですが、回転するブラックホールの周辺から出る電波が見出されたのです。その短波電波は強弱の脈を打っていて、これをパルスと呼びます。コンピューターでこのパルスの周期に合わせて、何千万回もデータを重ね合わせてはじめて、雑音の中に埋もれている微少な信号が取り出せたのです。

複数のブラックホールの存在
 研究の結果、私たちが発見したパルスの周期は回転しているブラックホールの回転周期で、その周期が長いほどブラックホールの半径は比例して大きくなることがわかりました。
 こうして、銀河の中心では自転する24個の超巨大ブラックホールに分かれていること、アンドロメダ星雲中心部では実に74個の超巨大ブラックホールに分かれていることが判明しました。つまり、この新しい私たちの研究によって、今まで言われていたように、超巨大ブラックホールが星雲の中心部に一つだけあると考えていたことは、誤りだと言うことがわかりました。
 将来は、世界中の研究者によって月面に短波電波の観測所が拓かれ、この私たちの開拓した方法を使って、遠い星雲の中心部が次々と調べられる日が来ると良いと思っています。



東北大学説明会およびオープンキャンパスの開催について


 東北大学説明会およびオープンキャンパスは、高校生などに東北大学の教育研究を正しく理解していただくとともに、適切な進路を選択するにあたっての参考にしていただくため、昨年から全10学部において開催しているものです。
 今年も、来る7月31日(月)・8月1日(火)の両日午前10時頃から東北大学の川内・青葉山・星陵及び雨宮の4キャンパスにおいて、模擬講義・実験、キャンパスツアー、研究室公開などを行います。
 なお、工学部および理学部(いずれも青葉山キャンパス)などでは、一般市民の方々にも参加していただける企画が予定されておりますので、この機会にぜひご参加ください。

『川内キャンパス』文学部、教育学部、経済学部、法学部の4学部のほか、附属図書館があります。
(交通)仙台駅バスプール9番
青葉城址循環(広瀬通経由)、宮城教育大学・青葉台・成田山行に乗車し、『扇坂』下車

『青葉山キャンパス』理学部、薬学部、工学部のほか、大型計算機センターにおいて施設公開が行われます。
(交通)仙台駅バスプール9番
青葉城址循環(広瀬通経由)、宮城教育大学・青葉台・成田山行に乗車し、『工学部』又は『理学部自然史標本館前』下車

『星陵キャンパス』医学部、歯学部
(交通)仙台駅バスプール16番
交通公園(大学病院前経由)行きに乗車し、『大学病院前』下車

『雨宮キャンパス』農学部
(交通)仙台駅バスプール16番・18番
南光台・鶴ヶ谷・北仙台方面(市役所経由)に乗車し、『農学部前』下車

連 絡 先:学務部入試課
電   話:022-217-4855
F A X:022-217-4863
追   記:企画内容の詳細については、7月上旬頃にお知らせできます。