ご挨拶


 我が国では、機微な技術や貨物が不用意に懸念国やテロリスト等に流出し、核兵器等の大量破壊兵器や通常兵器に転用されることにより、国際的な平和及び安全が損なわれることがないよう国際的な枠組みの下で外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」)を定め、厳格な安全保障輸出管理規制を構築しております。

 この外為法で規制対象としている特定技術の外国又は非居住者への提供や特定貨物の外国への輸出という行為は、留学生・外国人研究者の受入れや外国大学等との共同研究等により国際的な学術研究活動を展開する大学にとって、全く無関係とは言えません。

 東北大学(以下「本学」)では、平成21年4月の外為法の改正により、外国への技術提供管理規制の強化、輸出者等遵守基準策定の義務化、罰則規定の強化等が図られ、安全保障輸出管理規制がより厳格化されたことを一つの契機として、本学の教員等が行う教育研究活動の成果が、その本来の目的に反して大量破壊兵器等に転用され、これにより国際的な平和及び安全にとっての脅威となることがないよう、平成21年8月より組織的な安全保障輸出管理(以下「輸出管理」))の管理体制構築に向けた具体的な検討に着手し、平成22年3月より管理体制をスタートさせました。

 これまでの輸出管理に係る管理体制の検討から、その整備・運用、学内における制度の浸透・定着に向けた種々の取組みに至るまで、そのすべては前任の飯島理事(研究・環境安全担当)の強いリーダーシップの下、関係者によるご尽力やご協力により実施され、その成果は本学に着実に根付き始めており、これまでの飯島先生をはじめ、その他の関係者の方々のご努力に改めて深く敬意を表するところです。

 このたび、私は法務コンプライアンス担当の副学長として本学におけるコンプライアンスの推進を一体的に進めるため、平成23年10月より新たに本学における輸出管理を統括する役割を担うこととなりましたが、これまでと同様、知の自由な追求とその結果の公開を行動原理としてきた大学における健全な教育研究活動を確保するため、教員等やその他の関係者の皆様の声にも十分に耳を傾けつつ、本学の実情に即した輸出管理を実施するよう努めてまいりたいと考えております。

平成23年10月 

                   国立大学法人東北大学安全保障輸出管理統括責任者
                   副学長(法務コンプライアンス担当) 兵 頭 英 治