−化石シリーズ 第1回−
「三葉虫」


 私たちの地球に生命が誕生したのは、およそ38億年前のことでした。以後、海や陸地にさまざまな生物が出現し、繁栄し、絶滅するというドラマが繰り返されてきました。かって地球上に存在しながら、今は全く姿を消してしまった生物は枚挙にいとまがありません。
 その中の一つに三葉虫(さんようちゅう)があります。三葉虫は5億4000万年前、浅い海に爆発的に発生した節足動物の仲間で、当時を三葉虫時代と呼ばれるほど重要な化石です。
 三葉虫という名前は、体が頭、胸、尾と三分され、中軸部と両肋(葉)の三葉からできていることに由来しています。三葉虫は、海底をはいながら、泥の中の有機物を摂取して生きていたと考えられます。古生代初頭に栄えた三葉虫は次第に衰退し、その末期(2億4500万年前)には絶滅してしまいました。
 上の写真は、モロッコ産の三葉虫で、体長36.5cmに達します。発見者の胸の鼓動が伝わってくるような見事な化石です。

(総合学術博物館長 森   啓)