まちづくりのよきパートナーとして

Message from OB

OBからのメッセージ
 私の中の「東北大」


奥山 恵美子
=文


 1975年に仙台市役所に職を得て、早や30年になろうとしています。私が在学していたのは、男女雇用機会均等法が成立するはるか以前でしたから、当時同級生であった夫には、段ボール箱1つ分の就職案内が来たにもかかわらず、私にはたった2通。男女の不平等に憤然とすると同時に、民間はあきらめ、公務員を志望することにしました。最初は、教員になることも考えていたのですが、教育実習を行った三条中学の先生から、「あまりにも板書がひどすぎる」と指摘されたことと出席日数不足で道徳概論を落としたことで、諦めざるを得ませんでした。
 さて、市役所で仕事をするようになると、学生の頃とは一味違った大学との関わりが出てくるようになりました。例えば、審議会の委員の先生方との共同作業です。市が推進する都市計画、環境、教育などさまざまな分野で、今後の施策のあり方を討議し、提言するのが審議会です。市民代表の方々もおられますが、専門性に立脚したオピニオンリーダーとして、大学教員の方々の参加は欠かせません。現在、私が在籍している市民局にも、男女共同参画推進審議会、スポーツ振興審議会、市民公益活動促進委員会、消費生活審議会などの審議会があり、水野紀子、小田中直樹、中島信博、長谷川公一、増田聡、藤井敦史、河上正二、吉田浩といった諸先生にお力添えをいただいています。
 また、最近では、個人としてのご協力のほかに、大学と市が組織として共同で事業を推進していくというプロジェクト型の連携も増えてきました。代表的な事例が、昨年4月に国の構造改革特区に認定された「国際知的産業特区計画」です。この計画は、東北大学と仙台市が総合的な産学連携により、研究開発を加速し、新しい国際的な新産業を生み出していこうというもので、次世代診断装置の開発、クリーンなエネルギー製造システムの開発など21の事業計画が盛り込まれています。明日の仙台の発展の鍵は東北大学が握っていると言っても過言ではないでしょう。
 これらに加えて、大学の持つ教育力を地域の生涯学習に生かそうという「高等教育ネットワーク仙台」での連携やせんだいメディアテークにおける建築計画の小野田研究室とのさまざまなコラボレーション、都市計画の阿部仁史先生のアトリエと卸町の古き良い面を残しつつのリノベーション(再生)の動きなど、大学とまちづくりのかかわりは枚挙に暇がありません。いつの時代も「知恵」と「情熱」を併せ持つ人の力があってこそ、街も脱皮、成長していくことが出来ます。総合学府としての東北大学がこれからもまちづくりのよき同伴者であることを願ってやみません。


おくやま えみこ

1951年生まれ
出身学部:東北大学経済学部経済学科卒
現職:仙台市市民局次長


I N F O R M A T I O N
附置研究所等一般公開
「片平まつり2004」

●開催期間:10月10日(日)〜11日(月)10:00〜17:00
●対  象:小、中学生、高校生、大学生、一般
●会  場:片平キャンパス(仙台市青葉区片平2-1-1)
      金属材料研究所 流体科学研究所 電気通信研究所、
      多元物質科学研究所 東北アジア研究センター
      星陵キャンパス(仙台市青葉区星陵町4−1)
      加齢医学研究所
●内  容:研究施設の一般公開、公開実験、記念講演会
●お問合せ先:東北大学金属材料研究所総務課庶務係
 TEL 022-215-2181 FAX 022-215-2184
 http://www.tohoku.ac.jp/katahira/

平成16年度 東北大学附属図書館企画展
●テーマ:「江戸の数学― いま、和算がおもしろい!―」
●開催期間:平成16年10月29日(金)〜11月7日(日)10:00-17:00
 *ただし、10月29日は14:00〜、土・日・祝日も開催
■記念シンポジウム
 * テーマ:「和算と仙台:現代における和算再興の取組み」
 *10月31日(日)10:00-12:00 (経済学部第3講義室)
■記念講演会
 *「江戸の社会に生きた和算家たち」佐藤賢一氏(電気通信大学、助教授)
 *「和算と測量:幕末の和算家小野友五郎の生涯」鳴海風氏(作家)
 *10月31日(日)14:00-16:30 (経済学部第3講義室)
■図書館員による展示解説
 *11月6日(土)、11月7日(日)両日とも14:00〜
●お問い合せ先:東北大学附属図書館(仙台市青葉区川内27-1)
 TEL:022-217-5911   http://www.library.tohoku.ac.jp/

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