古写真でみる東北大学2
「医学部旧館」
「東北帝国大学絵葉書」(大正12年)




 緑の中庭を取り囲んで整然と並ぶ、白壁の建物。かつての医学部キャンパスでは、こんな風景が存在していました。
 東北大学の医学部は、大正4年に旧・北四番丁(現・星陵町)に発足しました。医学部の教室は、それに先立つ数年前から造られはじめ、大正七年にはすべてが完成されました。片平の地に建てられた理学部の校舎が赤を基調としていたのに対し、医学部は白を基調とし、中庭の緑とあいまって、医学生の視界に清々しい印象を与えていました。
 戦災を受けることなく保たれてきたこの風景ですが、昭和49年の新しい医学部棟の建設にともなって、旧館は取り壊されました。中庭も大半は失われてしまいましたが、「掬水(きくすい)の池」と名づけられた池が、かつての名残りをわずかにとどめています。

(東北大学記念資料室室員 永田 英明)