○国立大学法人東北大学における動物実験等に関する規程

平成19年6月27日

規第122号

国立大学法人東北大学における動物実験等に関する規程

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 動物実験専門委員会(第5条)

第3章 動物・遺伝子実験支援センター(第6条)

第4章 管理責任体制(第7条―第11条)

第5章 動物実験計画及び教育研修計画(第12条―第15条)

第6章 施設等(第16条―第18条)

第7章 動物実験等の実施(第19条・第20条)

第8章 実験動物の飼養及び保管(第21条―第27条)

第9章 安全管理(第28条―第30条)

第10章 教育訓練(第31条)

第11章 自己点検、評価及び検証(第32条)

第12章 情報公開(第33条)

第13章 雑則(第34条・第35条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。以下「基本指針」という。)に基づき、科学的観点、動物愛護の観点及び環境保全の観点並びに動物実験等を行う職員、学生等の安全確保の観点から国立大学法人東北大学(以下「本学」という。)における動物実験等を適正に実施するため、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 動物実験 第4号に掲げる実験動物を試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供することをいう。

 教育研修 第4号に掲げる実験動物を学生等への教育研修に供することをいう。

 動物実験等 動物実験及び教育研修をいう。

 実験動物 動物実験等の利用に供するため、第7号に掲げる施設等で飼養し、又は保管しているほ乳類、鳥類又はは虫類に属する動物(第7号に掲げる施設等に導入し、又は譲渡するため輸送中のものを含む。)をいう。

 飼養保管施設 実験動物を恒常的に飼養し、若しくは保管し、又は動物実験等を行う施設(次号に掲げる実験室を除く。)をいう。

 実験室 実験動物に実験操作(原則として48時間以内の一時的保管を含む。)を行う室をいう。

 施設等 飼養保管施設及び実験室をいう。

 動物実験計画 動物実験の実施に関する計画をいう。

 教育研修計画 教育研修の実施に関する計画をいう。

 動物実験実施者 動物実験等を実施する者をいう。

十一 飼養者 実験動物の飼養又は保管に従事する者をいう。

十二 管理者等 第7条に規定する管理者(第8条の規定により副管理者を置く場合にあっては、管理者及び副管理者)第9条に規定する実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者をいう。

十三 実験動物管理者等 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者をいう。

(他の法令等との関係)

第3条 動物実験等については、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。)、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。)、基本指針、動物の処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号)、動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成18年6月1日日本学術会議策定)その他の法令等(以下「関連法令等」という。)に定めがあるもののほか、この規程の定めるところによる。

(管理者等の責務)

第4条 管理者等は、動物実験等の実施に当たっては、法第41条第1項及び第2項の規定に基づき、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること及びできる限りその利用に供される動物の数を少なくすることに配慮するとともに、科学上の利用に必要な限度において、できる限り動物に苦痛を与えない方法によって行うことにより、適正に実施しなければならない。

第2章 動物実験専門委員会

第5条 本学における動物実験等の適正な実施に関する調査、審議及び連絡調整については、国立大学法人東北大学環境・安全委員会規程(平成16年規第7号)の定めるところにより、国立大学法人東北大学環境・安全委員会動物実験専門委員会(以下「委員会」という。)が行う。

2 委員会は、前項の規定による調査及び審議の結果について総長に報告するとともに、必要があると認めるときは、総長に助言する。

3 委員会は、必要に応じ、管理者等に報告を求めることができる。

第3章 動物・遺伝子実験支援センター

第6条 本学における動物実験の適法性を確保し、及び動物実験に係る安全管理を推進するため、動物・遺伝子実験支援センターは、委員会が行う調査、審議及び連絡調整等を支援する。

第4章 管理責任体制

(管理者)

第7条 本学に、総長の命を受け、実験動物及び施設等を管理させるため、管理者を置く。

2 管理者は、当該実験動物及び施設等を有する部局等(以下「部局等」という。)の長をもって充てる。

(副管理者)

第8条 管理者は、その職務を補佐させるため必要があると認める場合は、副管理者を置くことができる。

(実験動物管理者)

第9条 部局等に、管理者の命を受け、管理者を補佐し、実験動物の管理を担当させるため、実験動物管理者を置く。

2 実験動物管理者は、実験動物に関する知識及び経験を有する当該部局等の職員をもって充てる。

(動物実験責任者及び教育研修責任者)

第10条 動物実験又は教育研修ごとに、当該動物実験又は教育研修の実施に関する業務を統括させるため、動物実験責任者又は教育研修責任者を置く。

2 動物実験責任者又は教育研修責任者は、当該動物実験又は教育研修に従事する動物実験実施者をもって充てる。

(施設等設置責任者)

第11条 施設等に、当該施設等の維持管理を担当させるため、施設等設置責任者を置く。

第5章 動物実験計画及び教育研修計画

(動物実験計画又は教育研修計画の審査及び承認)

第12条 動物実験責任者又は教育研修責任者は、動物実験等を実施しようとする場合には、動物実験計画又は教育研修計画を立案し、所定の計画書を管理者を経由して総長に提出し、その承認を得なければならない。

2 総長は、前項の規定により動物実験責任者又は教育研修責任者から計画書の提出があったときは、委員会の議を経て、当該動物実験計画又は教育研修計画の承認の可否を決定するものとする。

3 総長は、前項の決定を行ったときは、管理者を経由して当該動物実験責任者又は教育研修責任者に通知するものとする。

4 第2項の規定により承認された動物実験計画又は教育研修計画の有効期間は、3年以内とし、当該動物実験又は教育研修を開始する日から2年を経過した日の属する年度の範囲内とする。

(動物実験計画又は教育研修計画の変更)

第13条 前条の規定は、動物実験計画又は教育研修計画を変更しようとする場合について準用する。

(動物実験等の中止又は終了の報告)

第14条 動物実験責任者又は教育研修責任者は、動物実験又は教育研修を中止し、又は終了したときは、所定の様式により、管理者を経由して総長に報告しなければならない。

(動物実験等の中止の勧告)

第15条 委員会は、第12条第2項の規定により承認された動物実験計画又は教育研修計画の実施状況について、必要に応じ、調査を行い、総長に報告し、又は助言することができる。

2 総長は、前項の委員会からの報告又は助言を受けて動物実験等の実施が適正でないと認めるときは、当該動物実験等の中止を勧告することがある。

第6章 施設等

(施設等の設置等の申請及び承認)

第16条 管理者は、飼養保管施設又は実験室を設置し、又は変更しようとする場合には、所定の設置承認申請書を提出し、総長の承認を得なければならない。

2 総長は、前項の規定により管理者から設置承認申請書の提出があったときは、委員会の議を経て、当該飼養保管施設設置又は実験室の設置又は変更の承認の可否を決定するものとする。

3 総長は、前項の決定を行ったときは、管理者に通知するものとする。

4 第2項の規定により承認された飼養保管施設又は実験室の有効期間は、当該飼養保管施設又は実験室の内容に応じて総長が別に定める期間とする。

(施設等の維持管理及び改善)

第17条 管理者は、実験動物の適正な管理並びに動物実験等の遂行に必要な施設等の維持管理及び改善に努めなければならない。

(施設等の廃止の届出)

第18条 管理者は、飼養保管施設又は実験室を廃止しようとする場合には、所定の廃止届出書をあらかじめ総長に提出しなければならない。

2 管理者は、必要に応じて、動物実験責任者と協力し、飼養保管中の実験動物を他の飼養保管施設に譲り渡すよう努めなければならない。

第7章 動物実験等の実施

第19条 動物実験実施者は、動物実験等の実施に当たっては、関連法令等に定めるもののほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

 適切に維持管理された施設等において動物実験等を行うこと。

 計画書に記載された事項を遵守するとともに、実験動物に無用な苦痛を与えないよう次に掲げる事項を遵守すること。

 適切な麻酔薬、鎮痛薬等を使用すること。

 外科手術等の処置後は適切な術後管理を行うこと。

 苦痛を伴う実験に当たっては、人道的エンドポイントを考慮した実験終了の時期に配慮すること。

 遺伝子組換え実験、放射性物質や放射線を用いる動物実験等、毒物、劇物、向精神薬等を用いる実験、病原体又は有害科学物質等を用いる動物実験等については、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)その他の関連する法令等及び国立大学法人東北大学遺伝子組換え実験安全管理規程(昭和56年規第38号)その他の本学の関連する規程等に従い、実施すること。

 実験実施に先立ち必要な実験手技等の習得に努めること。

 侵襲性の高い大規模な存命手術に当たっては、経験等を有する者の指導の下で行うこと。

2 動物実験実施者は、実験の終了又は中止に当たっては、次に掲げる事項に配慮しなければならない。

 実験動物にできる限り苦痛を与えないようにするとともに、他の実験動物に苦痛を感じ取られないよう、適切な安楽死処置法を選択すること。

 実験動物の死体については、適切な処置を講じ、人の健康及び環境を損なわないようにすること。

(業務の委託)

第20条 動物実験責任者は、動物実験等の実施を本学以外の機関に委託等する場合は、委託先においても、基本指針又は他省庁の定める動物実験等に関する基本指針に基づき動物実験等が実施されることを確認しなければならない。

第8章 実験動物の飼養及び保管

(手引きの作成及び周知)

第21条 管理者及び実験動物管理者は、飼養保管の手引きを作成し、動物実験実施者及び飼養者に周知しなければならない。

(実験動物の導入)

第22条 実験動物管理者は、動物実験責任者に、実験動物の導入に当たり、関連法令等に基づき適正に管理されている機関より導入させなければならない。

2 実験動物管理者は、実験動物の導入に当たり、適切な検疫、隔離飼育等を行わなければならない。

3 実験動物管理者は、必要に応じて実験動物の飼養環境への順化又は順応を図るための措置を講じなければならない。

(実験動物の飼養管理)

第23条 実験動物管理者等は、実験動物の生理、生態、習性等に応じて、適切に給餌及び給水を行わなければならない。

2 実験動物管理者等は、異種又は複数の実験動物を同一施設内で飼養し、又は保管する場合には、その組み合わせを考慮した収容を行わなければならない。

(実験動物の健康及び安全の保持)

第24条 実験動物管理者等は、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の保持に努めなければならない。

2 実験動物管理者等は、実験目的以外の傷害又は疾病を予防するため、実験動物に必要な健康管理を行わなければならない。

3 実験動物管理者等は、実験動物が実験目的以外の傷害又は疾病にかかった場合は、実験動物に適切な治療等を行わなければならない。

(記録の保存及び報告)

第25条 管理者等は、実験動物の入手先、飼養履歴、病歴等及び飼育環境等に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

2 管理者は、その所有する実験動物の飼養保管の状況について、年度ごとに所定の報告書を総長に提出しなければならない。

(譲渡等の際の情報提供)

第26条 管理者等は、実験動物の譲渡に当たり、譲渡先に、その特性、飼養保管の方法、感染性疾病等に関する情報を提供しなければならない。

2 遺伝子組換え動物の譲渡に当たっては、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律に基づき、譲渡先に情報の提供を行わなければならない。

(輸送)

第27条 管理者等は、実験動物の輸送に当たり、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の確保、人への危害防止に努めなければならない。

第9章 安全管理

(実験動物から人への危害防止)

第28条 動物実験実施者は、物理的若しくは化学的に危険な材料又は病原体等を扱う動物実験等を行う場合には、安全のための適切な施設又は設備を確保しなければならない。

2 管理者は、実験動物管理者等に係る実験動物由来の感染症及び実験動物による咬傷等の予防及び発生時の必要な措置を講じるとともに、発生の際の医師等による救急体制の整備等必要な措置を講じなければならない。

3 管理者は、毒へび等の有毒動物の飼養又は保管をする場合は、飼養保管基準に基づき、人への危害の発生の防止について必要な事項を定めなければならない。

4 管理者は、実験動物の飼養又は動物実験等の実施に関係のない者が実験動物等に接触しないよう、必要な措置を講じなければならない。

(実験動物の逸走時等の対応)

第29条 管理者は、逸走した実験動物の捕獲の方法等をあらかじめ定めなければならない。

2 動物実験実施者及び飼養者は、実験動物の逸走又は盗難を発見した場合は、探索及び捕獲に努めるとともに、当該実験動物が遺伝子組換え動物等又は人に危害を加える恐れのある実験動物である場合は、速やかに動物実験責任者又は実験動物管理者を通じて管理者に通報しなければならない。

3 管理者は、前項の通報があったときは、必要な措置を講じるとともに、遅滞なく総長に報告し、及び関係機関へ連絡しなければならない。

(緊急時の対応)

第30条 管理者は、地震、火災等の緊急時に執るべき措置の計画をあらかじめ作成し、関係者に対して周知しなければならない。

2 管理者は、緊急事態の発生時において、実験動物の保護及び逸走による危害防止に努めなければならない。

第10章 教育訓練

第31条 総長は、委員会に、実験動物管理者等に対する次の事項に関する教育訓練の実施を付託するものとする。

 関連法令等、本学の定める規程等

 動物実験等の方法に関する基本的事項

 実験動物の飼養保管に関する基本的事項

 安全確保、安全管理に関する事項

 その他動物実験等の適正な実施に関する事項

2 委員会は、教育訓練の実施日、教育内容並びに講師及び受講者の記録を作成し、これを保存しなければならない。

第11章 自己点検、評価及び検証

第32条 総長は、本学における動物実験等の実施状況等に係る関連法令等及びこの規程への適合性について、委員会に定期的に点検及び評価(以下「自己点検・評価」という。)を行わせるものとする。

2 委員会は、前項の規定により自己点検・評価を行い、その結果を総長に報告しなければならない。この場合において、委員会は、管理者等に、動物実験等の実施状況等に係る資料を提出させることができる。

3 総長は、自己点検・評価の結果について、学外の者による検証を受けるよう努めるものとする。

第12章 情報公開

第33条 総長は、本学における動物実験等の実施に関する情報を毎年度公表するものとする。

第13章 雑則

(ほ乳類、鳥類又はは虫類に属する動物以外の動物に係る動物実験等)

第34条 管理者は、本学において飼養し、又は保管しているほ乳類、鳥類又はは虫類に属する動物以外の動物に係る動物実験等を実施しようとするときは、この規程に則して動物実験等が適正に実施されるよう配慮しなければならない。

(雑則)

第35条 この規程に定めるもののほか、動物実験等の適正な実施に関し必要な事項は、総長が定める。

1 この規程は、平成19年10月1日から施行し、第10条の規定は、同日以後に実施する動物実験等について適用する。

2 この規程の施行の日(以下「施行日」という。)の前日に実施している動物実験等で施行日以後引き続き実施するものに係る動物実験計画又は教育研修計画は、第10条第1項の規定により申請し、及び同条第2項の規定により承認されたものとみなす。この場合において、当該承認されたものとみなされた動物実験計画又は教育研修計画(以下「みなし承認計画」という。)に係る有効期間にあっては、第10条第4項の規定にかかわらず、平成20年3月31日までとし、当該動物実験又は教育研修の中止又は終了の報告は、第12条の規定にかかわらず、これを要しない。

3 施行日の前日に設置している施設等については、施行日から平成20年3月31日までの間は、第14条の規定による承認を得ないで、設置することができる。

(平成23年3月31日規第51号改正)

この規程は、平成23年4月1日から施行する。

(平成24年5月8日規第49号改正)

この規程は、平成24年5月8日から施行し、改正後の第12条第4項の規定は、平成24年4月1日以後に提出された動物実験計画又は教育研修計画から適用する。

(平成27年3月23日規第18号改正)

この規程は、平成27年4月1日から施行する。

(令和3年4月27日規第68号改正)

この規程は、令和3年4月27日から施行し、改正後の第6条の規定は、令和3年4月1日から適用する。

国立大学法人東北大学における動物実験等に関する規程

平成19年6月27日 規第122号

(令和3年4月27日施行)

体系情報
規程集/第7編 設/第2章 安全管理
沿革情報
平成19年6月27日 規第122号
平成23年3月31日 規第51号
平成24年5月8日 規第49号
平成27年3月23日 規第18号
令和3年4月27日 規第68号