東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞

ビジネスの知見やセンスを深めることができた留学経験

私は留学を通して数えきれないほど多くのことを学びました。この報告書では、私に最も大きな影響を与えた2つのことにフォーカスしたいと思います。

1つ目は、留学しなければ会えなかっただろう優秀な日本人の方々との出会いです。UCバークレーには、優秀な若手官僚や、あらゆる企業の若手幹部候補者、日本で優秀な成績を収めた研究者、舞台を世界に移そうとしている裁判官や弁護士、大企業の御曹司といったような、超が付くほど優秀な方々が留学しに来ます。また、UCバークレーはシリコンバレーに位置しているため、有名企業を辞めて渡米した起業家や、google・twitter・Appleといった世界トップのIT企業で働く日本人との出会いもありました。彼らは、日本で普段暮らしていてはなかなか相手にしてもらえない「雲の上の存在」といっても過言ではない方々ですが、私がUCバークレーの日本人というだけで、食事に連れて行ってもらえたり、イベントに誘ってもらえたりしました。そういった一流の方々と議論した経験は、21歳の私にとっては衝撃的な経験でした。若くしてこれほど成功している彼らのマインドセットや考え方、捉えている将来のビジョンは非常に刺激的で、今まで私が持っていたものは一旦全て壊されました。その上で、自分なりに考えぬいた考え方や意見を、優秀な先輩方に聞いてもらいフィードバックを頂くことで、良い方向に修正してもらいながら思考を深めることができました。さらに、彼らに共通して当てはまることも発見することができました。それは「成功するための唯一の方法は、成功するまで諦めないこと」でした。インターネットで調べれば出てきそうな言葉ですが、彼らの行動や言動を見ていると、どうやらこの言葉は本当だということに気づきました。彼らから勇気をもらい、私は冬休みにカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の教授15人にメールを送り、会いに行きました。その努力が実り、今はまだ帰国せずにUCLAで研究しています。

2つ目はビジネスの知見やセンスを深めることができたことです。上述の通り、UCバークレーはシリコンバレーに位置しています。ITの世界の中心地であり、同時に資本主義の中心地でもあります。したがって、大学では起業に関する講義も充実しており、実際の起業家が教鞭をとっています。もちろん、起業家精神旺盛な学生は多く、実際に事業を興している学生も少なくありません。ある学生が「会社持ってるんだ」と言ったとしても、皆その事実には驚かず、その事業内容などを聞いてきます。そういった環境で過ごしていると、資本主義やビジネスについて自然と興味を持ち勉強するようになりました。驚くことに、私は理系ですが、留学の後半では起業のクラスを履修し、起業家の前で自分の事業のプレゼンまでして、ビジネスアイデアコンテストで3位入賞するまでになりました。これは、留学しなければ決して得られなかった経験であり、今後大学を卒業して社会に出た後でも必ず役に立つものだと思います。一方、全力で取り組めば、留学中に事業を興すまで至ったのではないかという後悔もあります。

この他にも得られたことはまだまだありますが、以上の2つにフォーカスして報告書を書きました。

この留学は東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞の経済的な支援により実現することができました。この場を借りて感謝の意を示させていただきます。ありがとうございました。何か恩返しできないかと留学中に考えた結果、UCバークレーで東北復興イベントを開催することができました。現地学生と力を合わせて企画し、南三陸の震災語り部である佐藤誠悦さんに講演していただいたり、ポスターで東北の現状を伝えたり、震災が起きた時の対処法などを共有することができました。イベントを動画にまとめたので、是非ご覧ください。https://www.youtube.com/watch?v=fYIm72SO2mI&t=11s以上、留学の報告書とさせていただきます。ありがとうございました。

留学先:カルフォルニア大学バークレー校(国名:アメリカ合衆国)
工学部3年 勝山 湧斗