東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞

留学生活での様々な体験を、これからの自分の成長につなげたい

私は大学入学前から「留学したい」という夢を持っていました。外国に住むという憧れや、「留学することで何か自分が変わることができるのではないか」という期待を抱いていたからです。また、「語学力を上げたい」「もっと広い世界を見てみたい」など、たくさんの希望がありました。そして留学が終わった今、「留学してよかった」と心から思います。大変なことや苦しい時期もあり、反省しているところもたくさんあります。しかしそれ以上に貴重な多くの経験、本当に大切な人たちとの出会い、様々な発見がありました。

最初に授業に関してですが、ウィーン大学で私が受けた授業のスタイルは、日本で受けていたものとそこまで大きな違いはありませんでした。しかし、ほとんどの学生が授業の中で積極的に発言をしていたことにはとても刺激を受けました。私は日本にいた時から自分の考えを積極的に発言することがなかなかできず、ウィーンに来て外国語で話すことになってからはますます困難に感じました。

その時に私は「外国語を話す」こと自体に重点を置いていて、コミュニケーションにおいて最も重要である「自分の考えを相手に伝えたい」という思いが欠けていたと気が付きました。「間違えずに話す」「上手く話さなくてはいけない」ということにばかり気を取られ、コミュニケーションを楽しむことができていませんでした。

そのように気が付いてから、もう一度周りの学生を注意深く観察してみると、多くの学生は間違えることを気にせずに、とにかく自分の考えを伝えようとしていました。外国語で話すのだから、間違えてしまうことがあっても当然です。そのように気が付いてからは、気持ちが少し楽になりました。まだまだ間違いを恐れてしまうこともありますが、今後もまずコミュニケーションを楽しむことを意識して改善していきたいと考えます。

また、生活スタイルも当然日本とは様々な違いがあります。留学生活を始めたばかりのころは戸惑うことも多く、文化の違い一つ一つが心細さを感じることに繋がりました。しかし少しずつ生活に慣れてくると、ウィーンの文化の良い点や素晴らしさを心から感じられるようになり、そして反対に日本の文化の素晴らしさを再認識することもできました。私がウィーンの文化で最も素晴らしいと感じたのは、芸術、特に音楽文化です。元々音楽が好きということもあり、留学中は積極的に音楽作品を聴いたり、また現地のコーラスグループに参加したりしました。そのような活動をしていく中で本当に多くの方々にお世話になり、一生の宝物になる経験をたくさんできました。コーラスやピアノ演奏で私自身も音楽を表現する側として舞台に立つこともでき、本当に貴重な経験でした。こうした活動を通して様々な人と出会い、考え方の幅も広がったと思います。また音楽の素晴らしさに触れ、今後日本でも音楽に携わる仕事をしたいという希望もできました。

留学生活では本当に様々な体験をしましたが、それらすべてを自分の成長につなげられるように、これからも一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。                 

留学先:ウィーン大学(国名:オーストリア)
教育学部3年 五十嵐 理恵