東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞

世界のトップレベルと競い合った半年間

私は2015年9月から2016年2月まで、VSRP(Visiting Student Researcher Program)の研究生としてUCB(University of California Berkeley)に留学しました。

UCBでは、金属粉末積層造形法(3Dプリンター)による傾斜機能材料創製に関する基盤研究に取り組みました。アメリカ人の大学院生たちと協力して研究成果をまとめ上げ、帰国直前にAdditive manufacturing及びMaterials Designという二つのジャーナルへの論文投稿を済ませ、一定の成果を挙げることが出来ました。

今回の留学は比較的短い期間でしたが、世界各国から集まるトップレベルの研究者や学生と共に時間を過ごすことで日々大きな刺激を受けました。日本とは異なり年齢やバックグラウンドで区別されることのないフラットな人間関係の下、毎日活発な議論を重ねる中で語学力のみならず自分の考えを堂々と発信することに対して自信がつきました。

日常生活の中で多様な価値観に触れる機会が自然と増え、研究者としてはもちろん一人の人間として大きく成長し得る環境が整っていました。無論東北大学も研究水準は非常に高く、充実した研究生活を送ることは可能です。加えて言葉の面でも治安の面でも困ることはなく、安心して日々を過ごすことができます。しかし私はいわゆるコンフォートゾーンを抜け出して、研究者としてはもちろん一人の人間として世界と勝負する経験が必要ではないかと強く感じました。

私はこのようにUCBで出会った素晴らしい先生方や友人との関わりを通して、全く新しいものの見方を身に付けることができ、改めて帰国後のキャリア形成や人生そのものに真剣に向き合う非常に良い機会となりました。UCBの仲間たちに負けないよう、さらなる飛躍を目指して一層の精進を重ねていきたいと思います。

最後にこのような素晴らしい留学経験をさせて頂きましたこと、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

留学先:カリフォルニア大学(国名:アメリカ)
工学研究科博士前期課程2年 百瀬 樹