SELECT(宇宙エレベーターチャレンジトーホク)

宇宙エレベーターの認知を広めたい

宇宙エレベータークライマーチャレンジ2022での様子

最新情報(令和4年10月追記 )

SELECTは本記事以降も開発を続け、令和4年開催の技術競技会にて昇降に成功しました。 また、同競技会にてクライマー部門 クライマー賞を受賞しました。

本基金の支援をきっかけにここまで開発を進めることができました。 ありがとうございました。

また、「SELECT(宇宙エレベーターチャレンジトーホク)」は新たに団体ホームページを開設しました。 令和元年11月以降の開発の経過はこちらをご参照ください。
https://tohokuspaceelevato.wixsite.com/mysite

さらに、これまで開発したロープ上昇降技術を建設現場の輸送へ応用すべく、プロジェクト「LIFT」を立ち上げ、 東北大学基金のクラウドファンディングプロジェクト「ともプロ!2022」にて支援を募っています。
https://www.kikin.tohoku.ac.jp/tomopro/2022
何卒趣旨にご賛同賜り、ご支援いただけますと幸いです。

(令和4年10月 工学研究科 葛野 諒)



メンバー集合写真

「感謝の言葉」

この度は、当団体の活動にご支援をいただき、深く感謝申し上げます。

当団体は「宇宙エレベーターの認知を広める」「宇宙エレベーターチャレンジを通してものづくり」を目的として2019年2月に発足しました。団体として活動の実績を作るためにも、まず宇宙エレベーターチャレンジに参加することを当面の目標としました。宇宙エレベーターチャレンジ(通称SPEC)とは、日本宇宙エレベーター協会が開催する、宇宙エレベーターに必要な技術を研究する競技会です。クライマーと呼ばれる昇降機を作製し、上空に浮かべたバルーンから垂らされたケーブルを昇らせることが競技内容です。

発足間もない当団体は、クライマー製作費を主とする活動資金の調達方法もありませんでした。クラウドファンディングや企業との協賛も試み、そこからある程度の資金を得ることはできましたが、この基金からの助成金が一番の助けとなりました。この助成金なくしては我々の思い描いた活動を行うことはできませんでした。寄附者の皆さま、手続きを厚く支援してくださった職員の皆さま、我々を助成の対象に推薦して頂いた槙原教授、推薦団体と承認して頂いた工学研究科長殿など、多くの方々に支えられました。その全ての方々に深く感謝しています。特に槙原教授には、顧問という形で様々な支援をしてくださいました。ありがとうございました。

事業の結果・成果について述べます。初めてのSPEC挑戦であり、クライマー製作のノウハウもないので製作は難航しました。団体発足後から設計を開始し、資金調達や設計を終えた後に8月から実際に製作を始めたのですが、予期せぬトラブルや設計の作り込みの甘さなどにより、思うようには進みませんでした。予定していた実験などもすることができませんでしたが、なんとか大会までにクライマーを完成させることができました。手探り状態での挑戦で、形にはなったものの思い描く動作を見せてくれるかはわかりませんでした。しかし、新しいものに挑戦し、短い時間ながら形にできたことは、それだけで単なるものづくり以上の経験を与えてくれたと思います。

かくして完成した機体はSELECT-1と名付けられ、我々はSELECT-1と共に9月14日,15日に福島県南相馬市のロボットテストフィールドで開催されたSPEC×ROCに参加してきました。我々の他にも複数の学生団体や社会人グループが参加しており、なかには海外からの参加者もいました。当日のコンディション面のアクシデントで、競技内容が変更される中で、我々の機体は、クライマーの重量は上限が15Kgに設定されていたのですが、20Kg超と優に重量オーバーしてしまい、競技ではないただの昇降実験という形になりました。そして、現場でも調整を続け臨んだ初めての昇降実験は、失敗しました。モーターに負荷がかかりすぎたのかすぐに動作が止まり、上には進みませんでした。その場で出力の仕方を変えるなどの工夫を試みましたが、結果は変わりませんでした。残念ながら昇降には失敗しましたが、メンバーは(機体も含めて)ケガをすることなく、無事に大会を終えることができた点はせめてもの救いでした。

寄附者の皆さまをはじめとし、多くの方からさまざまな支援を受けて、我々は活動を行うことができました。結果は不本意なものとなりましたが、実際にクライマーを製作してSPECに参加したことで、我々はとても貴重な経験を得ることができたと思います。

改めまして、この度は厚いご支援をいただき誠にありがとうございました。

(令和元年11月 工学部 葛野 諒)