寄せられた意見・要望と回答

投稿日時:2021/01/08 0:07

住居を通じた学生に対する福利厚生はもはや不要なのだろうか?

ユニバーシティ・ハウスは「経済面を考慮した福利厚生を目的とした寮ではありません。」と書いてあります(http://www.bureau.tohoku.ac.jp/gakuseishien/gakuseinokoe/21033-1604474328.html あるいは https://www.tohoku.ac.jp/japanese/studentinfo/studentlife/05/studentlife0501/qanda_2020_syusei.pdf)。ところで、近年の動きとしてユニバーシティ・ハウスは大規模に新設されていく一方で、学寮に対しては「大学で修理修繕を実施しておりますが、施設設備の老朽化がかなり著しい状況です。」と記述しながらも(https://www.tohoku.ac.jp/japanese/studentinfo/studentlife/05/studentlife0501/information_2020.pdf)、「東北大学ビジョン2030」には代替となる学寮の新設に向けた大学の議論や方針は見えてきません。それどころか、学寮を全廃して全てユニバーシティ・ハウスにする予定だと何人かの知り合いの教授に聞きましたし、前総長時の「里見ビジョン」にそういった記述があります。 これから帰結されることは、大学による住居を通じた学生への福利厚生は以後一切不要であるという主張です。 確かに、元来富裕層の子弟が多く運営費交付金が減り続ける国立大学の現状では一定の福利厚生削減はやむを得ないと思われます。一方、一部貧しい学生もおり完全な削減を行ってしまうと明らかに問題が発生します。生産を主目的としない学生生活において、固定費が1万円程度で済む上に、ユニバーシティハウスのように在籍年数がなく卒業までいられる現在の学生寮は、学生(社会人院生含む)が腰を据えてリスクをとってチャレンジしたり博士課程に進む上で非常に有益です。 近年は給付型奨学金が増えているとはいえ、日本の教育に対する公的支出はOECD諸国の中で対GDP比最下位(2016年)であり世帯毎で自己負担の教育政策を取っているのにも関わらず、当のその家計による支援が減少し続けております。例えば、大学生一人当たりの家計給付が150-160万円(2006年以前)から120万円程度(2018年)に減少したこと、および仕送りから住居費を引いた1日あたりの生活費が2500円程度(1990年代)から900円未満(2014年)に減少したこと(『貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち』、および『独立行政法人日本学生支援機構 平成30年度学生生活調査結果』を参照)が挙げられます。このように、こういった福利厚生施設は決して古い時代のものではなく、むしろ家計による支援が減少した今の時代に新たに必要なものです。 このように、貧しい世帯の学生は本当にお金がないため学寮を全て廃止してしまうと困り、固定費が4万円ほどしてしかも原則2年しか居られないユニバーシティ・ハウスへの移行は尋常ではありません。無論、大学の資産ポートフォリオの組み替えはあり得るため学寮の箱の入れ替えに協調するのは一定仕方がないとしても、一切学寮を廃止するというのはいかがなものでしょうか? 主張: ・現状いる400-500人程度を収容可能で卒業まで入居可能な学寮を維持、あるいは設備の老朽化に伴い新設するなりして学寮の体制を維持する必要があると考えます。そうでないと、無視できない割合の学生に非常に負荷がかかり彼らは学生生活において長期的な投資をして活躍していくことができなくなってしまいます。 ・なお、里見ビジョンの設定においては「有志の皆さんに議論してもらい、全学のビジョンを策定しました」(東北大学新聞https://ton-press.blogspot.com/2018/03/21.html)とありますが、本件における当事者である学寮の寮生において理解の共有がなされているとは到底言いがたく、当該の学生を含んだ議論と理解が必要であると提案致します。

回答日時:2021/02/09 14:15

回答

【回答:教育・学生支援部学生支援課より】
上記の投書ありがとうございます。
学生寄宿舎にはそれぞれ目的、入居(寮)対象者が異なっており、ユニバーシティ・ハウスは記載の通り、「国際感覚の研鑽等をコンセプトとした教育施設」、学寮は「厚生施設的側面を持つ教育施設」となります。
また、大学は「大学による住居を通じた学生への福利厚生は以後一切不要」、「学寮を廃止する」とは言っておりませんし、何処にも記載しておりません。
よろしくお願いします。

[ 戻る ]