学生の声

コース分けや研究室配属の体制整備について

親愛なる関係者の方々へ【回答必要かつ公開必要】
東北大学の複数の学部の多数の学科において学部 2 年もしくはそれ以上の学年の学 生に対して希望調査を行い、将来配属されるコースや研究室が学生の希望調査への回答で決まることはおそらく東北大学の学生の中では周知な事実だと思います。
日本の大学の独特な制度そのものを否定しているわけではありませんが、学生の配属 先がどこかに関して、先ほど申し上げた希望調査のほか該当学生の学部初期の成績と教員の裁量も重要な判断材料になっているのに、どのようにして学生の配属先を決めたことに関する説明が不十分であることが残念ながら現状となっています。
現存の制度では今までかなり良い成績を収めた学生が自分の行きたいところに行けず、 説明もしてもらえないことが避けられると言い難いでしょう。仮に特定の分野の研 究をしたいと思って東北大学に進学した優秀な学生が「配属先に関しては個別に説明することができません」という返答をもらったらどれほど哀れなことでしょう。 このようなことは起こりえないというのは皆様の共通認識だと思いますが、健全な 実行体制が欠けると万が一望ましくないことが発生したら、一人の学術に情熱や愛 情を持っている学生が官僚主義に人生を壊されることになります。
僭越ながら私の考えましたことをここで申し上げたいとおもいます:
ここで東北大学のコース分けや研究室配属を実施する学科に対して以下のことを要請します：
１．コース分けや研究室配属先の判断材料を明確に公開すること
２．成績または希望調査以外の理由で学生の志望を却下した場合に、あらかじめ その学生に連絡し、その旨を伝えること
３．各学生の配属先を決めた理由を書類にして、該当学生が閲覧できるようにすること

次に東北大学の教務に以下のようなことを提案します：
１．各学部学科の学生のコース分けや研究室配属先を決めた理由が掲載される書 類を収集し、不当な行為があるかどうかを審査すること
２．不当な措置に遭った学生に対し、その学生がコースを変換する意思があれば 協力すること
長い歴史を持っていることはある種の便利があると言えるかもしれませんが、公平 や公正の面でいえばその正しさを担保できると断言できないと思います。同様に現 存な選抜手続きが古くから使われてきたことはそれを変えてはいけない理由になりません。
民主主義を受け入れている国では、民衆が自分自身の情報を把握する権利を持って いるはずです。そのような国の国立大学は学生自身の情報を学生に公開しないこと は大学自体の威信を失うことだけでなく、国民からの信頼を動揺することにもつながります。体制の整頓にはかなりの人力や財源が必要で現段階では実現することが 難しいとのような官僚主義の傲慢のあふれる常套弁解はこの国の未来を担う人々に 呈示するのは不適切だと思います。
ちなみに、現在の混乱な国際情勢において、民族主義の台頭は世界各地の大学にも みられます。特定の民族や地域出身の人の特定の分野から排除しようとする動きがみえます、多くの場合は国家の安全という名目でこのような差別を正当化しようとしています。もちろん東北大学ではそのような露骨な、けしからん、学問の自由に明らかに反しているような卑劣な事件がないと信じていますが、念のためここで改めて書かせていただきました。今は国家安全の名目で特定の人間を特定の分野から 排除することが今後のすべての学生の自由を侵害する前例になります。
大学側が今まで上記な事態が起こっていなかったかつ今後も決して起こりえないと 責任をもって断言できるのであれば、こちらも非難の言葉を控えることにします。投書した学生が大学を批判することを目的としておらず、ただ不健全な管理体制による被害者が現れないように大学の積極的な取り組みを期待しているだけです。どうかお怒りを抑えられて、体面を保てる行動をなさってください。
どうぞよろしくお願いいたします。