寄せられた意見・要望と回答

投稿日時:2010/10/10 02:35

学内の喫煙に関して

片平キャンパスのエクステンション教育研究棟裏の駐輪場に,少し前から灰皿が設置されています.以前はもっと建物の出口の近くに置いてあったようですが,もっと駐輪場の側に移動したようです.この灰皿は個人が勝手に置いているものなのでしょうか?それとも大学側が用意したものでしょうか?もし個人が置いたものなら撤去していただきたいですし,大学が置いたものならもっと副流煙の被害が及ばないような場所に移動するか,エクステンション教育研究棟内に喫煙ルームを設置してほしいです.(エクステンション教育研究棟内にの喫煙ルームの有無ははっきりとは存じませんが,喫煙ルームががないから外で喫煙するのではないかと予想しています)
私はよくエクステンション教育研究棟の裏を通るのですが,喫煙している人が大勢いて副流煙を毎回吸ってしまいます.以前の場所にあったころから法科大学院の学生は禁煙の場所で喫煙するなど,禁煙への意識が足りないと感じていましたが,もはや我慢の限界なので改善してほしいと思います.
喫煙の被害の他にも問題があります.現在灰皿が設置されている場所は,流体研の学生が登下校で北門を使うときに原付やバイクで通過する場所です.灰皿の周りで喫煙している人が多いときはバイクの通るスペースにまで人がいて危険な時があります.この点からも灰皿の撤去もしくは場所の変更をお願いしたいです.

また,先日総長が東北大学キャンパス内全面禁煙宣言を出しましたが,これに関しても意見させていただきます.喫煙者にキャンパス内で完全に禁煙させるのは無理ではないでしょうか?結果として歩きたばこをしたり,個人で勝手に灰皿をどかこに置いて吸う人が出てくるだけだと思います.現在の喫煙ルームがある状態でも喫煙ルームに行くのを面倒くさがり,建物の外に出て喫煙する職員や学生が目立ちます.ですので,喫煙ルームを今の倍以上に増やして喫煙者が喫煙ルームにアクセスしやすくして,所定の場所以外でたばこを吸わなくさせることが,結果として喫煙者と禁煙者の共存に繋がるのではないでしょうか?

最後に,上で「現在の喫煙ルームがある状態でも喫煙ルームに行くのを面倒くさがり,建物の外に出て喫煙する職員や学生が目立ちます」と書きましたが,これを改善させるために総長や理事の名前で学内全体に喫煙者のマナーに対するメールや文書を配布していただけなでしょうか?現在の東北大学内の喫煙に関してルーズすぎます.教授や職員が禁煙の場所で喫煙したり,歩きタバコをしているのをよく見かけます.歩きタバコをしながら建物内を巡回する警務員もいます.これまで我慢してきましたが,一向に改善される気配がないので,対応をお願いしたいです.

以上,長くなりましたが3点ほどお願いを述べさせていただきました.喫煙者と禁煙者が共存できるように,対応していただけると幸いです.

回答日時:2010/11/30 09:20

回答

◯ 法科大学院からの回答

 ご意見をいただいた灰皿は、エクステンション教育研究棟を利用する教職員及び学生のために、駐輪場の一角に法学研究科として設置したものです。
 ご指摘を真摯に受け止め、同棟を利用する法学研究科学生の喫煙マナー(原付やバイクの通行に迷惑が及んでいることも含め)についてお詫びを申し上げます。今後、指導を徹底してまいります。
 また、灰皿の設置場所についてもご要望をいただきました。
 エクステンション教育研究棟内には喫煙スペースは設けられておらず、同棟竣工当初は、駐輪場側の建物1階出口横に灰皿を設置しておりましたが、吸気口を通って棟内に煙が流入しているとの苦情があり、10月に入り、灰皿を現在の場所に移動いたしました。
 今回のご要望をうけ、鋭意、あるべき対応策について検討いたしましたが、新たに棟内に喫煙スペースを設けることは事実上不可能であり、屋外に灰皿を設置するとすれば、建物や危険物からの距離、車両通行の頻度等を考慮いたしますと、当面は、現在の場所が、法学研究科の敷地内では最も問題が少ないものとの判断に至りました。
 総長名で発出された「キャンパス内全面禁煙宣言」にありますように、本学は、今後一年間の移行期間をおいてキャンパス内全面禁煙へと向かいます。この移行期間においても、法学研究科の教職員及び学生には、タバコの煙による健康被害に関し、さらなる周知を図っていきたいと考えております。


◯ 環境・安全推進室からの関連するコメント

 キャンパス内全面禁煙宣言へのご意見ありがとうございます。
 今回の宣言の趣旨は、本学の学生、職員の健康を守ることにあるとともに、タバコの問題に対する東北大学の姿勢を示すものでもあります。本学の学生および職員は、本学にとって皆大切な方々です。非喫煙者をタバコの煙の被害から守らなくてはいけません。喫煙者にはその健康への害の内容をよりよく知ってもらい、自身の健康のためにとるべき方策を適切に選択してもらわなくてはいけません。タバコは市民に共通した問題です。本学総長の発した「キャンパス内全面禁煙宣言」は、タバコの健康被害とニコチン依存症の本態を学問的な立場から追求してきた英知を結集させたものでもあります。東北大学がこのような宣言を発することは、本学のみならず、地域社会、ひいてはわが国国民に対する大学の責務であり役割を果たすものであると考えます。
 お申し出の提案事項などについてコメントさせていただきたいと思いますが、全面禁煙宣言の目的の主眼の一つである受動喫煙を防ぐ観点でのご異存はないようですので、主に喫煙者に関しての考え方に関し回答したいと思います。
 「喫煙者と非喫煙者の共存」はよくみられる概念ですが、少なくとも長期的観点にたてば、問題があると考えます。つまり、健康被害の深刻さを知る大学が、非喫煙者を放置してそのまま喫煙の場所を提供して喫煙を続けさせることの是非が問題であると考えます。健康の被害などについて正しい情報が供与されれば、全面禁煙にする意味を東北大学の職員や学生は当然のことと理解してくれるはずだと期待したいと思います。準備のための1年間、関連する情報を工夫しながら全職員および学生に伝えていくことが必要ですし、そのような理解あるいはコンセンサスがなくしてキャンパスの全面禁煙はなしえないと考えます。
 また、「喫煙者にキャンパス内で完全に禁煙させるのは無理」という意見はあることは承知しております。一部の喫煙者では、マナーなどがあっても我慢しきれず、あるいはマナーなどは無視して、タバコをルール違反の状態でも吸うだろうというイメージだと思われます。多くの方がそのように考えると思いますし、一部の喫煙者のそのような行動がいかに日常ありふれているかということかと思います。タバコを我慢しきれなかったり、ルールを無視して守らなかったりするのは、ニコチンの血中濃度が下がり、脳の活動が低下するなどの身体的な禁断症状が出現することが大きく影響しています。身体的な依存症を起こすことにかけては、ニコチンは麻薬などよりも強力であり、すべての喫煙者は多かれ少なかれニコチン依存症という薬物依存症であるといっても過言ではありません。現在、喫煙行動は病気の一種であると認識されており、禁煙治療も保険診療でできるようになりました。さらに、他の依存症と同じように依存の対象物(この場合はタバコ)に関連する判断が歪んでしまうことが知られています。喫煙者では、能動喫煙と受動喫煙に関わらず、タバコの煙の健康被害を過小評価する傾向にありますが、これらは認識が歪んでいる例としてよく知られています。喫煙者と非喫煙者の間で、禁煙に関する認識が大きく乖離する場合は珍しくない(例:「禁煙が健康に大事」という認識と「タバコを吸っていても元気な人はいる→必ずしも禁煙は健康に大事ではない」という反論など)。この乖離においては、多くはこの歪みの存在が原因であり、そのようなへだたりをどうすることもできない一種のあきらめが「喫煙者にキャンパス内で完全に禁煙させるのは無理」、という考えになっているのではないかと思われます。
 ニコチン依存を治療することは簡単ではなく、喫煙者のタバコに対しての歪んだ認識を変えてもらうことも簡単ではありません。また、タバコに関する喫煙者の歪んだ認識があたかも常識的な概念であるかのようになっている部分がまだまだあります。その結果として、タバコについて的外れな考えを持っていたり、喫煙者に対して遠慮したり喫煙行動を尊重してしまったりする方もたくさんいらっしゃいます。したがって、タバコに対する正しい理解やコンセンサスが必要であり、逆にそれがない状況では、全面禁煙ルールの100%の徹底を、しかも早急に実現することは、確かに難しいことといわざるをえません。
全国の旧帝大などの大きな規模の大学では全面禁煙となっているところはないようです。このような困難は共通であり、克服に道筋が見えないということも影響しているように思います。幸い、本学では、星陵キャンパスや川内の附属図書館での全面禁煙の経験があります。全面禁煙とルールを決めることに意義があり、そのことがタバコに関するコンセンサスを醸成させる大きなきっかけとなったことを経験してもいます。今回、総長の発した全面禁煙宣言およびその中に含まれる1年の準備期間のそれぞれの意義をわれわれは十分に考えて受け止める必要があるのではないでしょうか。円滑に全面禁煙の措置が始まるように、1年間準備をしっかり行うように考えていかなくてはいけません。全面禁煙は受動喫煙をなくすだけでなく、喫煙者への真の支援を目指すものでなくてはならない、と考えています。
 最後に、喫煙者のマナーについては、各学部等に設置の安全衛生委員会に対して改善を依頼いたしました。ご了解くださいますようお願いします。
 なお、喫煙が健康に及ぼす影響については、本学環境・安全推進室のホームページhttp://www.bureau.tohoku.ac.jp/anzen/img/anzen/21.htmに「禁煙を考えている方へのサポート情報」を掲載しておりますので、是非一度ご覧ください。

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