【理学研究科 修士・前期】
大学院科目として「結晶物理学特論」を去年履修し、単位を頂きました。しかしながら、今年開講される同一名称の講義「結晶物理学特論」は講師が変わり内容も大きく変化しており、こちらも履修しようと考えております。
ただここで気になることがあります。大きく内容も講師も異なる講義でありながら、なぜ同一名称のために単位がそれぞれ与えられないのでしょうか。別に隔年開講の講義も存在するなかで、どうしてこの講義は隔年で内容と講師を変えながらも講義名を統一してしまうのでしょうか。
自由聴講になったとしても受講すればいいだけのことという意見もあるでしょう。しかし、大学院生も決して時間に余裕のある人ばかりではありません。なるべく効率よく卒業単位を積み上げ、研究に時間と労力を注ぎたい人もいるでしょう。
私の場合もうどうしようもないことはわかっています。しかし後の学生のことも考えますと、講義名を分け隔年開講とすることで両方の講義を受けやすくすることには大きな意味があると思います。「この内容の講義も受けたいけど、もう単位をとっているから無駄になってしまう」という要らぬモチベーションの低下は学生の損失になり得ます。
どうか変更をして頂ければ幸いです。
ならびに、隔年開講の講義や隔年で講師と内容が変わる講義については時間割やシラバス、学生便覧だけでは情報が足りずよくわかりませんでした。そうした「隔年」についての記載も詳しくお願いしたく思います。できることなら翌年の時間割まで見たいと思っています。
以上よろしくお願いいたします。
【理学研究科教務委員会より】
ご意見をいただきましてありがとうございます。
大学院の講義,特に名称に特論が付くものは,その分野の高度に専門的な内容を扱います。そのため,1セメスターの講義で分野全体を扱うことはできず,内容を絞る必要があります。その内容の選定にあたっては唯一の正解はなく,学生にとって有益であり,かつ担当教員が最も効果的に講義できるものが選ばれるため,担当教員が変わると変更されることもあり得ます。しかし,その内容の違いは物理学全体の広い研究領域から見れば,その一部を占める分野内での差異でしかありません。従って,それらの両方の単位取得を認めると,学習分野が狭く偏ってしまいます。これでは,物理学の学修で得る知識の活用範囲を狭める他,「理学研究科ディプロマ・ポリシー」にある,物理学分野における「高度かつ先端的な知識を体系的に修得する」という学修目標を達成できません。以上の理由から,年度により内容が異なっても名称は変更しないことにしています。
また,履修登録の時点では次年度の講義担当教員は決まっていないので,次年度の講義の詳細を予告することはできません。例えば,「結晶物理学特論」についても近年は結果的に隔年で担当教員が変わっていますが,来年度以降については教員の異動も考えられるため約束することができません。
なお,授業概要などの授業に関する情報は,理学研究科ウェブサイトにも掲載しているところですが,隔年開講の講義等の情報について,今後,わかりやすく掲載していきます。