寄せられた意見・要望と回答

投稿日時: 2023/02/13 15:14

全学教育科目「英語 III (e-learning)」でのオンライン教材費用が高額すぎる件

令和4年度に学部1年生の者であるが、来年度より開講される「英語 III (e-learning)」でのオンライン教材費用が高額であり、何らかの負担軽減策を導入していただきたい。
 令和5年度から、新たな全学教育科目としてオンライン形式で「英語 III (e-learning)」が開講され、全学部において全学部の必修科目となっている。本年1月30日の通知(https://www2.he.tohoku.ac.jp/center/keiji/info/230130b-1.pdf)によれば、この講義では教材として、米国の ETS が提供するeラーニング教材『Official TOEFL(R) Prep Course(OTPC)』(以下、本件教材)を用いるとしている。本件教材は学生の自己負担で1万1千円で各自ライセンスを購入する必要があるとされているが、1単位の必修科目の教材費としてはあまりにも高額である。
 実際、所属している工学部の学部1年次前後期の教科書代を累計すると、おおむね1単位あたり約700円程度である。これらはすべて紙のテキストであったため、先輩からの譲渡や図書館で借りる事によりさらに教材費を低減することが可能であった。また、工学部が夏季休暇に開講している「工学英語I」(1単位)で用いたeラーニング教材でも、教材費は3,500円であり、本件教材は同一の単位数にもかかわらずその3倍以上の負担が必要である。このように、本件教材が相対的に負担額の大きい教材である事は明らかである。
 金銭的負担が大きい教材の導入は、学生の生活に少なからず影響を与える事が予想される。平成29年度の『学生生活調査』によれば、40%の学生が何らかの経済的支援を受けているとされている。特にこうした学生は昨今の物価高や光熱費のため、経済的に窮屈になりつつある。実際、厚生労働省の毎月勤労統計によれば、令和4年11月時点で実質賃金の減少が8カ月連続で続いている。このような状況下では親からの仕送りの増額も見込めず、教材費の捻出のためアルバイトをするにしても、本件教材の教材費は宮城県の最低賃金では丸一日働きようやく稼げる金額である。
 そうした中で、教材費を軽減するために、以下2点を提案させていただきたい。一点は、歯学部・工学部・農学部において、割安に受験できる団体受験のTOEFL ITP(R) testの成績も単位認定に使用できるようにしていただきたい。もう一点は、教材費を大学側が半額程度負担していただくことで、自己負担額を低減していただきたい。
 もちろん、既に決定事項であり、撤回は困難である事は理解している。また、さらなる東北大学の飛躍のために、英語教育を批判的に評価し、改善していく過程における教育改革の重要性も推察している。しかし、必修で避けられない、たった1単位の科目の教材費としては、高額であり負担が大きい。この講義の受講を免れる事を目的に、単位認定に向けてTOEIC(R) L&Rを受けるとしても、結局8千円程度の受験料がかかる。質の高い教育に相応の対価が必要であるとはいえ、このような状況下で学生の金銭的負担を突然高めることは、少しご配慮いただきたい次第である。

回答日時:2023/02/28 14:20

回答

【学務審議会英語委員会より】
 ご意見ありがとうございます。
 「英語Ⅲ(e-learning)」でのオンライン教材の導入の必要性、同教材利用による教育効果及び経費負担にかかる点については、先に同様の意見が「学生の声」に投稿があり、以下のとおり回答しておりますので、そちらをご確認ください。
http://www.bureau.tohoku.ac.jp/gakuseishien/gakuseinokoe/26663-1676419181.html

 なお、ご提案の1点目についてですが、全学教育「英語」科目のカリキュラムを刷新するにあたり、大きな変更点のひとつが2年次の科目についてです。新カリキュラムでは、2年生の皆さんには、前期に集中して「英語Ⅲ」の2科目を受講してもらいます。そして、皆さんの学習時間等の適正で効率的な配分を勘案し、対話を重視する対面授業の「英語Ⅲ」と並行してe-learning教材による豊富なコンテンツを継続的に自律学習する「英語Ⅲ(e-learning)」に取り組んでもらうことで、最高の教育効果をもたらすことを目指しています。ですから、TOEFL ITP(R) testなどの検定試験による単位認定を推奨するのではなく,今回導入するe-learning教材で学習することによって単位を取得してもらいたいと考えています。

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